党役員・閣僚人事では、首相に批判的な麻生派の麻生太郎会長と直談判して最高顧問就任を実現した。
派閥裏金事件に関係した旧派議員らの公認問題でも、党内調整を主導した。
ただ、その影響力の強さから「事実上の『森山内閣』だ」(閣僚経験者)とやゆする声も上がる。
「非常にタイトな日程で国会や国政が進んでいく。しっかり党の運営を図りたい」。森山氏は4日、幹事長の職務に全力を傾注する考えを示した。
森山氏は国対委員長を歴代最長の約4年2カ月務めたほか、党四役の選対委員長や総務会長を歴任。党内外に豊富な人脈を持つ。
党内基盤が脆弱(ぜいじゃく)な首相は、その調整力に期待して「党の要」に起用したとみられる。
森山氏の影響力が最初に発揮されたのは衆院解散だ。幹事長就任が内定すると、新政権の「刷新感」を最大限生かすため、臨時国会での与野党論戦を極力避ける「27日投開票」の日程を提案。首相は総裁選で、解散前の衆参予算委員会の開催に前向きな考えを示していたが、森山氏の意見を受け入れ方針転換した。
人事では、会長を務めた旧森山派が国対委員長と閣僚のポストも得た。8人の最小勢力では極めて異例だ。
さらに、総務会長の調整が難航すると、麻生氏の個人事務所を訪問。麻生派の鈴木俊一前財務相の起用と、麻生氏自身の最高顧問就任について了承を得た。
幹事長として試金石になるのは、裏金議員の公認問題だ。党への厳しい批判が収まる兆しは見えず、首相は6日、裏金議員の一部を非公認とする方針を明らかにした。
旧派は反発しており、衆院選の結果にかかわらず、政権が揺らぐリスクをはらむ。
森山氏の幹事長就任に関し、党内は「正論を好む首相を現実路線に引き戻す役割」(若手)とおおむね好意的。
ただ、党幹部として支えた菅義偉元首相が政権末期に解散や人事を模索して迷走したのは、森山氏の意向が影響したとの見方もある。政府関係者は「政局的判断が必ずしも正しい人ではない」と指摘した。
引用元: ・【森山幹事長の存在感突出】公認・解散・人事を主導・・・閣僚経験者 「事実上の『森山内閣』だ」
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