<主張>立民代表に野田氏 「保守色」は感じられない
立憲民主党臨時党大会で、野田佳彦元首相が党の創設者である枝野幸男元代表らを破り新代表に就任した。
野田氏は次期衆院選が迫っているとして、「本気で政権を取りにいく」と語った。
代表選を通じ野田氏は「穏健な保守層」へ支持を広げると語ってきた。保守政治家を自任しているのかもしれないが、野田氏が語った政策は現実路線とは思えない。
野田氏は演説で、政権を得れば「アジア太平洋地域に米国がコミットし続ける(ような)日米同盟を基軸とした外交安全保障をつくる」と述べた。
だが、野田氏が代表選で語った政策は同盟を揺るがす内容を含んでいた。抑止力を向上させた集団的自衛権の限定行使容認について、違憲との考えを示したからである。日米の外交、防衛協力の現場は混乱し、抑止力と対処力を損なうだろう。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設については「基本形は変わらない」と述べる一方で、沖縄の民意を踏まえ米国と協議するとも語った。移設工事停止もあり得るということなのか。
憲法改正には消極的だ。「論憲」の立場を表明したが「今、憲法論を一番の争点としてやることなのか」とも語った。緊急事態条項を巡っては「参院の緊急集会で対応できる」と否定的だった。これでは有事や大規模災害から国民を守れまい。
護憲派と改憲派が混在する党内事情から憲法改正に正面から取り組むのは不得策と考えたのか。一方、野田氏が連携を想定する日本維新の会や国民民主党は憲法改正に積極的だ。両党は緊急事態での議員任期延長で一致している。維新は自衛隊明記も求めている。両党との連携は難しい課題となろう。
野田氏は共産党との選挙協力を否定したこともなかった。共産と結び、「立憲共産党」と呼ばれて選挙に敗北した党の過去を忘れてはなるまい。
野田氏は先の国会で、皇族数確保に関する合意形成の障害となっていた。「女性宮家」の非皇族男子の夫と子の皇族化にこだわったようだが、これは先例を尊ぶ皇室の歴史で一例もない。皇統断絶を意味する「女系天皇」につながりかねない危うい議論でもある。今上天皇まで貫いてきた男系(父系)継承を守る立場をとってほしい。
https://www.sankei.com/article/20240924-4OGWIIAU3ZPFXBKTDWXSWCNBLY/
引用元: ・野田佳彦って「保守」じゃなくね [135853815]
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