「政権を取りにいくための心合わせ、力合わせをする『政権交代前夜』の代表選だ」。野田氏は記者会見で、意気込みを語った。2021年の前回衆院選の敗北で辞任した枝野幸男前代表も「新たな政権の選択肢を作るのが唯一にして最大の使命だ」と訴えた。
自民が総裁選に向けて「刷新感」や「変化」を掲げるのに対し、立民代表選では候補者が「安定感」(泉健太代表)や「現実的な対応」(野田氏)を主張。当選1回の吉田晴美衆院議員も首相になる可能性を問われ、「その覚悟を決めて手を挙げた」と切り返した。
旧民主党政権では米軍普天間(ふてんま)飛行場=沖縄県宜野湾(ぎのわん)市=の移設問題で迷走して日米関係が悪化した反省から、枝野氏は「日米同盟は基軸だ。移設問題は軽々に無責任なことを言うつもりはない」と慎重な受け答えに終始。晋三元首相が進めた他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認は、4人とも「違憲」としつつも、野田氏は「外交や安全保障は極端に百八十度すぐ変えることはできない」と述べた。
◆「一日も早く原発ゼロ」は1人だけ
党の綱領に掲げる「原発ゼロ」では「一日も早く原発ゼロの日本を目指したい」と言い切ったのは吉田氏のみで、残る3人は段階的に原発への依存を減らす考え。泉氏は「新しい電源が生まれなければ、いきなり発電所を止める選択はない」と述べ、野田氏も同調。枝野氏は「原発ゼロと同じ意味」として「原子力エネルギーに依存しない社会を目指す」と強調した。
自民派閥の裏金事件で政治不信が高まっているが、野党への支持につながっていない。「単独で政権を取れる状況ではない」(野田氏)という現実を踏まえ、他党とどう協力し、支持を広げていけるかが課題だ。
◆野党連携、共産との共闘は…
野党連携に関して、泉氏は「国民民主党と連立を組むことは想定している」と発言。枝野氏も「国民政党を目指す」と繰り返し、かつて自ら進めた共産との共闘には消極的な立場だ。
野田氏は「穏健な保守層まで取りにいくとき、初めて政権を取れるチャンスがある」として、自民の支持層を獲得する必要性を力説。吉田氏は「教育無償化や選択的夫婦別姓の実現などで野党は一致できる」と述べたが、特定の政党には言及しなかった。
主要政策で「現実路線」の訴えが目立ち、自民との違いが不鮮明になれば、結党時からの支持者の反発を招く懸念がある。保守層の取り込みと、共産や社民党を含めたリベラル勢力との連携の両立も、難しい対応が求められる。
東京新聞 2024年9月8日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/352861
引用元: ・立民代表選の候補者が「現実路線」と声をそろえる危うさ 原発も安全保障も継続性重視、支持層離れ大丈夫?(東京新聞) [蚤の市★]
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