現時点での筆者の独断に満ちた寸評を上げておこう。これまでの(1)政治経験、(2)党首としての新鮮度、(3)内政手腕の期待、(4)外政手腕の期待を1から5で評点したものだ。さらに、(5)党内の支持状況を今の時点で定性的にまとめた。
なお、(3)内政と(4)外政は、筆者の好みで大胆にみている。(3)内政で重要なのは、財務省との距離感だ。財務省ベッタリであると、間違った財政状況を吹き込まれて予算制約に陥りがちだ。
また、日銀との関係も重要だ。中央銀行には手段の独立性があるので、日々のオペレーションや具体的な利下げ・利上げの指示はできないが、大きな目標とインフレ目標を日銀には守ってもらう必要がある。
例えば、本コラムでも明らかにしているように、7月末の利上げはインフレ目標を無視した日銀の暴挙であり、政府としては看過してはいけない。こうした利上げを容認するような自民党総裁の評価は低い。
(4)外政でのポイントは、一言で言えば対米関係だ。次期米大統領がトランプ氏でもハリス氏でも、うまくやれるかどうか。実は高市氏は、どちらにも対応できる稀有な人物だ。トランプ氏であれば保守として政策で波長が合うだろうし、ハリス氏でも女性同士、しかも高市氏はかつて米民主党議員のスタッフを務めた経験もあるので、高評価になる。
最終的には(1)~(5)の兼ね合いで総裁が決まるだろうが、さらに今後(5)は以下に述べるように大きく変化しうる。
総裁選の日程はまだ決まっていない。具体的な日程は8月20日に決まるが、9月20日から29日までの間に議員投票が実施されることになっている。
9月20日(金)か27日(金)の投開票と言われている。
総裁選の過程で、旧派閥の復活もあるだろうし、旧派閥が草刈場にもなるだろう。麻生派だけは解散していないので、まとまりが一番強固だろう。
旧岸田派も総裁派閥だったのでそれなりに結束が強く、しかも、麻生派とあわせて「大宏池会」になるかもしれない。
旧茂木派は苦しい。茂木氏と加藤氏が出馬すれば、今の分裂がさらに加速するかもしれない。
旧二階派は菅氏が影響力を強めるだろうが、もともと強固な組織ではなく、小林氏のような若手支持に絞って独自の行動をする人も多いだろう。
かつての最大派閥の旧派は、核となる人物が政治とカネの問題で身動きがとれないので、各候補者の草刈場になるかもしれない。
いずれにしても、自民党総裁選ではおおいに論戦してもらおう。 髙橋 洋一(経済学者・嘉悦大学教授)
https://news.yahoo.co.jp/articles/eb3f8f0cbc957d7a61fa9338d03d00c63a278ae4?page=2
https://news.yahoo.co.jp/articles/eb3f8f0cbc957d7a61fa9338d03d00c63a278ae4/images/001
引用元: ・【高橋洋一】「次の首相候補」11人を辛口採点 「圧倒的1位」は高市早苗18点、河野太郎14点、小林鷹之13点、石破茂12点、小泉進次郎11点
こんな当て馬だらけの総裁選
コメント