「日本の歌は歌詞を韓国語に直して歌うのだろうし、不利だなあ」。そう思って観ると、日本の歌が日本語のままで流れて面食らった。日本の歌には韓国語の字幕がついていた。
■2018年時点でも日本語歌詞の歌は放送NG
日本の大衆文化が禁止されていた韓国では1998年から段階を経て、2004年に完全に開放されたものの、自主規制と称して地上波などで日本の歌が日本語で流れることはなかった。2018年にも宮脇さくらなど日本人メンバーがいたK-POPガールズグループ「IZ*ONE」の『好きになっちゃうだろう?』も日本語の歌詞が入っているという理由から地上波での放映は見送られた。
ところが、『日韓歌王戦』では、「ギンギラギンにさりげなく」(近藤真彦)、「雪の華」(中島美嘉)、「道化師のソネット」(さだまさし)など往年の日本のヒット曲や名曲が次々と日本語のまま歌われて、大反響を呼んだ。
広島のローカルアイドルユニット「SPL∞ASH」に所属する住田愛子さんが歌った『ギンギラギンにさりげなく』は番組公式YouTubeで550万回を突破し、音楽ユニット「Letit go」でデビューし、解散後は、ライブ活動などを続けてきたという歌心りえさんの「雪の華」は560万回を超え現在も記録更新中だ。
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■「日本語とはこんなにも美しいものですか」
同曲のYouTubeの書き込み欄には、韓国の視聴者から「人生で初めて慰められた曲」「日本語とはこんなにも美しいものですか。涙がでてくる」「70歳になろうとしている私が心から拍手を送ります。歌が上手な歌手はたくさんいますが、歌に響きを込めて伝えてくれる歌手はめったにいません。歌心りえさんはこのふたつを持っておられる。もう何度も聴いています。日本の人が歌う歌を聴いても聴いても涙がでます」などのコメントが書きつづられている。
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■「スラダン」から日本コンテンツ人気続く
日本のエンタメ人気が韓国で目に見えて急浮上したのは昨年からだ。映画『THE FIRST SLAM DUNK』が空前の大ヒットとなり、その人気は同時代に漫画のファンだった中高年世代からZ世代へと広まった。主題歌を歌った「10-FEET」の人気も上昇し、韓国でコンサートも開くまでに。
映画が大ヒットしていた2月には、TikTokなどのショート動画から人気が上がっていたシンガーソングライターの「imase」の「NIGHT DANCER」が韓国最大のサブスクリプションサービスチャート「Melon」でトップ20入りした。
そして、圧倒的な人気となったのは、2人組のユニット「YOASOBI」だ。アニメ『推しの子』の主題歌「アイドル」をK-POPスターがショート動画で紹介すると、ファン層はコアから一般へと一気に広がった。昨年12月に行われた「YOASOBI」のコンサートは発売後1分で完売している。
ただ、このあたりまではSNSに慣れ親しんでいるZ世代限定の話とされてきた。それが、ケーブルテレビとはいえ、日本の歌が日本語のままお茶の間に披露されて人気になったことは、韓国では「驚きの出来事」だった。
韓国日報は「韓国では日本の80年代の歌を聞き、日本では韓国ファッションに熱狂。韓日文化のボーダレス時代へ」で「国内のテレビで日本語の歌が放送されること自体がまれなことで日本の歌手がテレビで日本語で歌う歌が話題を集めたことも初めてのことだった」(8月5日)と書き、朝鮮日報は「かつては“倭色”と指さされ…今は日常になった日本の歌」(8月2日)というタイトル記事でその背景を大衆文化専門家の言葉を引いてこう見立てた。
「韓国のコンテンツの競争力が強くなり、日本の大衆文化へ抵抗感を覚えることもなくなった。韓国の1人あたりの国民所得が史上初めて日本を抜くなど経済的な自信感がその背景にある」
1990年代後半、韓国では日本の大衆文化を開放しようという動きに、「文化で優位な日本の大衆文化に韓国の文化が呑み込まれてしまう」と憂慮する声が噴き出した。しかし、それから30年近く、韓国エンタメのグローバル化は、日本のアニメーションなどの実力は認めつつも、日本以上のコンテンツ力を持っているという自負心につながっている。その現れが「日本の大衆文化」をタブー視しなくなった現象へとなった。
以下全文はソース先で
東洋経済 2024/08/12 7:00
https://toyokeizai.net/articles/-/796415?display=b
引用元: ・「涙出てくる」「日本語とはこんなに美しいものですか」韓国人が本気で驚いた日本人歌手たちの正体 [8/13] [ばーど★]
インドとかアフリカの文化でも面白がってりゃいいのに
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