価格は100ドル(約1万5000円)。ふた付きのバケツのような容器の中には夕食80食分と朝食30食分、そして40本の栄養ドリンクが入っており、しかも賞味期限は25年間だという。
「突然襲いかかる気象災害、予期せぬ失業や転職、食料不足への絶え間ない不安など、予測できない事態が常態化している世界に備えるために欠かせないセットです」と、商品説明には書いてある。
近年、予期せぬことには事欠かない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行はもちろんのこと、米国だけでも、カリフォルニア州で相次ぐ森林火災、2021年2月にテキサス州を襲った大寒波、2022年のケンタッキー州の大洪水、2022年、2023年とフロリダ州を直撃したハリケーン「イアン」と「イダリア」、2024年6月にカリブ海一帯で大きな被害を出したハリケーン「ベリル」など、災害が頻発している。
異常気象はより激しく、より頻繁になっている。米連邦緊急事態管理局(FEMA)は、国民に自分で72時間分(3日分)の防災備蓄をするよう勧めていたが、これを「最低でも」72時間分とし、できれば1週間分の備えをするよう推奨の内容をひそかに変更した。日本政府も同様の備蓄を勧めている。
「プレッパー」と呼ばれる人々にとってはまさに面目一新といえるだろう。自然災害や経済恐慌などの緊急事態に対応するため、日々、食料の備蓄などに取り組んでいる人たちのことだが、これまでは地球平面説を唱える人々と同じように軽視されてきた。
誰もが異常気象による深刻な自然災害に備えなければならない今、あごひげを伸ばしたり、迷彩服に身を包んだり、電力に頼らない生活をしたりするなど極端な行動に走る必要はないが、プレッパーたちの行動から学べることは多い。
まず備えるべきは飲料水
災害時に備えて1つ蓄えておくとすれば、水だ。「水なしで人は3日以上生きられません」と、『Prepper’s Long-Term Survival Guide(プレッパーのための長期サバイバルガイド)』の著者ジム・コッブ氏は言う。
蛇口をひねれば清潔で安全な水が当然手に入ると多くの人は思いがちだが、いったんハリケーンや森林火災、寒波による水道管の凍結などが起これば、水の供給が止まるだけでなく、水が汚染されてしまう恐れさえある。辺り一面が水浸しになる洪水でも状況は同じだ。
「洪水であふれた水には下水、ごみ、危険な化学物質、細菌など健康問題を生じさせるものが含まれています」と、コッブ氏は指摘する。緊急時に、激しい下痢や腹痛などを引き起こす寄生虫や大腸菌に感染することは避けたい。
では、どのくらいの量の飲み水を蓄えておけばいいのだろうか?
「それは厄介な質問です」と、コッブ氏は笑いながら言う。FEMAは1人あたり1ガロン(約3.8リットル)、日本政府は1人あたり3リットルの水が、災害が収まるまでの日数分必要だとしているが、その日数は当然のことながら誰にも分からない。
備蓄のためのスペースがあるならば、水はあればあるほどいいとコッブ氏は言う。「災害時に水があり過ぎて困ったという人はいません」
災害時用に水をろ過したり浄化したりする手段を用意しておければなおいい。
プラクティカル・プレッパーズ社の代表であるスコット・ハント氏は、ナショナル ジオグラフィック(TV)で放送されているリアリティ番組「プレッパーズ~世界滅亡に備える人々~」で、コンサルタントとして参加者の「プレッパー度」を100点満点で採点してきた。
ハント氏によると、米国の家庭の大半が災害時に困る原因は、水ではなく食料にあるという。「全体的に食料の備蓄が十分ではないのです」と氏は言う。
「調味料やクラッカーといったものはありますが、それだけでは買い物ができなくなった時、一体何を食べるというのでしょうか。それで何日生き延びられるというのでしょうか」
米国や日本の政府は最低3日分の備蓄を推奨している。「1人あたり1日2000キロカロリーを目安にするといいでしょう」というハント氏の助言を参考に、必要な食料を準備してみよう。
可能ならば家の1カ所を食料の貯蔵庫とし、常温で長期保存できる、慣れ親しんだ食品をストックしておくといい。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/072900406/#:~:text=%E6%B0%97%E5%80%99%E5%A4%89%E5%8B%95
引用元: ・【突然襲いかかる気象災害】米連邦緊急事態管理局は、国民に自分で1週間分の防災備蓄をするよう推奨、日本政府も同様の備蓄を勧めている・・・まず備えるべきは飲料水
でも一度も役立ったことはないけど(都内在住)
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