https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-09/SEOYS8T0G1KW00
ウォール街CLOマシンに波及、米集合住宅苦境-サブプライム再来か
引用元: ・投資マンション版サブプライムローン、やっぱり破綻しそう、医者などの富裕層が主な被害者😇 [422186189]
家族の退職勘定から得られるわずかな利益にうんざりしていたリン・ネイスさんは2021年後半、グローバル不動産の人気スポット、米集合住宅への投資で30%のリターンを実現していた会社に20万ドル(約3100万円)を投資した。資金の大部分がその後失われた。ビジネススクールを卒業し、ワシントン州ヤキマで歯科医を開業する夫の収入を投資に回したネイスさんにとって、損失は個人的な災難だ。
けれども彼女のタイミングを誤った投資と、ソーシャルメディアの扇動やウォール街の証券化マシン、金利急上昇がぶつかった物語は、ネット依存に伴うFOMO(取り残される不安)とイージーマネーの相互作用が、米国の不動産バブルを崩壊させた状況をうかがわせる。
MSCIによると、3月時点でディストレス状態にある物件は、集合住宅の約100億ドル相当に対し、オフィス物件は380億ドル余りに上り、米国の商業用不動産(CRE)の不安の多くはオフィス市場に集中しているといえる。だがMSCIのデータでは、ディストレス予備軍になりそうな不動産は、オフィスでなく集合住宅の割合が最も大きく、560億ドル余りに相当する不動産に金融トラブルのリスクが存在する。
集合住宅は下降局面でも人間の基本的なニーズに守られる手堅い投資対象と考えられ、なかなか解消されない住宅不足が家賃をさらに押し上げ、並外れたリターンが期待できるはずだった。
しかし金融会社は一層ハイリスク・ハイリターンの投資手段を求めた。ネイスさんが資金を投じたウェスタン・ウェルス・キャピタルのような新興の不動産オーナーは、買い入れた不動産をリフォーム後に利益を上乗せし売却する「フィクス・アンド・フリップ」と呼ばれる投機的取引を専門に扱っていた。レバレッジを活用し、証券化したローンはしばしば機関投資家に販売される。それはまるで、2008年の金融危機を招いたサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンブームの再来のようだ。信用履歴が不十分で頭金の少ない借り手に実行された一見安全に見えるローンをパッケージ化する貸し付けモデルだ。
米国で2年前に金利が急騰し始めると、資産価値は急落し、不動産オーナーや債券ファンド、ネイスさんのような人々に問題が顕在化した。ブルームバーグ・ニュースの取材に応じた彼女と他の4人の投資家は、いずれもウェスタン・ウェルスとの取引で損をしたと語った。
(以下略)
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