このほど発表された計画では、戦争が勃発して国民の日常生活が一変する事態に備え、徴兵制、配給制、地下鉄駅の防空壕(ごう)としての使用などを想定。
第2次世界大戦以来、断固として反軍国主義を貫いてきたドイツがロシアのウクライナに対する戦争を受け、安全保障政策や軍事政策の転換を迫られている現実を見せつけた。
戦時下のドイツでは徴兵制が復活し、スキルを持つ18歳以上の労働者は製パンや郵便局員など特定の仕事に就かされる可能性がある。仕事をやめることはできない。医師や看護師、退役軍人なども、軍務や公務に転換させられることがある。
食料や日用品は配給制となり、食料供給が少なくなった場合は政府が食料を備蓄して「温かい食事を1日1食」国民に提供する。コメや豆類、コンデンスミルクなどの食品は政府が備蓄する。
石油などの資源も少なくなった場合はクーポン配給制となる。
国民を守るため、地下鉄の駅は防空壕として使用し、病院は患者の流入に備える。
計画を発表したナンシー・フェーザー内相は、ロシアの侵攻を前にドイツは軍備を強化する必要があると説き、「ロシアの侵攻は欧州の治安情勢を一変させた。
何よりもまず、バルト3国のようなEU(欧州連合)東部およびNATO(北大西洋条約機構)のパートナーの間で、さらにはサイバー攻撃、スパイ行為、偽情報といった複合脅威によっても」と述べた。
計画では、ドイツ国内の病院は長期間にわたって大量の患者の受け入れに備えなければならないと指摘。もし戦争が起きた場合、同時多発的に被害が発生する可能性があることから、国民は政府による即座の支援をあてにすることはできず、まず自分自身を助け、可能であれば近隣の人を助けなければならないとした。
地下室や地下駐車場、地下鉄の駅は仮説の防空壕として使用する必要がある。攻撃は「極端に短い予告時間」で発生し得ると予想している。
放送局やデジタルメディアに対しては、政府の重要情報を直ちに流すことを義務付ける。国営放送のドイチェ・ベレは、新法や規制、最新情報発表の放送時間に関する情報を政府に提供することを法律で義務付けられる。
当局は指定区域に市民を退避させる権限を持つ。ただし家族が離れ離れになってはならないと規定している。非常時でも天気予報は継続される見通しだが、当局が予報を禁止あるいは制限することもあり得る。
ロシアのウクライナに対する戦争は3年目に入った今も終わりが見えず、NATOを巻き込んで戦争が拡大する事態も懸念される。
ドイツのシュピーゲル誌によると、ドイツのピストリウス国防相は5日、「我々は2029年までに戦争に備えなければならない」と発言、「プーチンがウクライナの国境で止まると考えてはいけない」と語った。
引用元: ・【ロシアの脅威念頭】ドイツが戦時計画発表、徴兵制復活も・・・国防相 「我々は2029年までに戦争に備えなければならない、プーチンがウクライナの国境で止まると考えてはいけない」
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