男子テニス、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、勝利した全仏オープン(French Open 2024)男子シングルス3回戦の終了時刻が試合開始翌日の午前3時過ぎだったことについて、「もっと別のやり方があったはず」とコメントした。女子のココ・ガウフ(Coco Gauff、米国)からは選手の健康が危険にさらされているという声も上がっている。
大会連覇を狙うジョコビッチは、4時間29分の末にロレンツォ・ムゼッティ(Lorenzo Musetti、イタリア)を7-5、6-7(6-8)、2-6、6-3、6-0の逆転で下したが、1日の午後10時45分に始まった試合が終わったのは日付をまたいだ翌2日の午前3時7分だった。
ジョコビッチ戦の開始の遅れには、同日に雨が降った影響で日程に混乱が生じ、主催者が屋根のあるメインコート2面に試合を詰め込んだことが背景にあったが、以前の記録を大幅に更新する大会史上最も遅い試合終了時刻となった。
ジョコビッチは試合後のインタビューで「勝つために肉体的に本当に限界まで行った。午前2時にプレーする人なんているのだろうか? 僕たち選手もこの時間にプレーするのは人生で数回しかない」と話し、
「この議論には関わりたくない」とした上で、「いくつかの部分はもっと別のやり方があったはず。午前3時に勝つことにはある種の美しさもあるが、それは大会の最後の試合だった場合の話であって、今回はそうではない」と語った。
すでに3日には第23シードのフランシスコ・セルンドロ(Francisco Cerundolo、アルゼンチン)との4回戦が組まれており、ジョコビッチは素早い回復が求められるが、これについて女子世界3位のガウフは「健康的ではないと思う」と主張。
「遅い時間に試合をしなくてはならない選手はスケジュールがめちゃくちゃになり公平とは言えないかもしれない」と述べ、「選手の健康と安全のために、一定の時間以降の試合開始は避けるようにするのが、競技の最大の利益になると信じている」と訴えた。
さらに、午前3時に試合が終わっても選手は治療やメディア対応も控えているため、その日の仕事が終わるわけではないと指摘し、「ベッドに入るのは早くても午前5時で、おそらく6時、ひょっとしたら7時になる」と話した。
女子世界1位のイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)は、選手だけでなくファンのためにもナイトセッションの開始時間を早めるべきだとコメントした。
2022年に行われた全米オープン(US Open Tennis Championships 2022)のヤニック・中国ー(Jannik Sinner、イタリア)戦で、大会史上最も遅い午前2時50分終了の試合を戦った経験がある男子世界3位のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、米国)も「ナイトセッションは嫌い」と明かし、試合後の会見や作業を考えると、「早く終わった方が全体的に良い」と語った。
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