◆体調不良を訴えたが「休めなかった」
「頭痛とふらつきがあって、まともに運転できない状況だった」(事故前日)、「この日の仕事が終わったら病院に行こうと思った」(当日早朝)、そして「ぶつかったときは300メートル前から意識がなかった」。
捜査関係者によると、逮捕された降籏紗京(ふりはたさきょう)容疑者(28)=相模原市緑区=は、体調の変化をこう振り返った。12日からのどの痛みと熱が続き、13日には勤務先に体調不良を伝えたが、事故当日もハンドルを握った。「休めなかった」と話しているという。
◆義務付け…確認の仕組みはなし
なぜ会社は、運転を止めなかったのか。降籏容疑者が所属する運送会社「マルハリ」(本社・札幌市)の配車担当者は「無理なら連絡がくると思った」と説明。体調確認を含む乗務前の点呼をしていなかったことも明かし、「本人が早く出発してしまったので実施できなかった」と釈明した。 酒気帯びの有無や体調を確認する乗務前後の点呼は、貨物自動車運送事業法に基づく安全規則で義務付けられ、違反すると事業者に車両使用停止などの処分が科せられる。だが、行政が実施状況を確認する仕組みがないため、点呼しない業者も少なくないという。
◆点呼者配置「そんな余裕はない」
兵庫県のトラック運転手の40代男性は「僕の会社も点呼はやっていない」と打ち明ける。ドライバーは早朝や深夜に出発することも多く、点呼者を常駐させると人件費がかさむ。「中小企業にはそんな余裕がない。ドライバーも少なく、体調が悪くてもすぐには休めない」
トラック運送業界に詳しい「あいち経営コンサルタント」(名古屋市)の和田康宏代表は、「業界の構造的な問題が根底にある」と指摘する。荷主の依頼がなければ成り立たない運送会社は立場が弱く、安い運賃で仕事を受けざるをえないため、「点呼者や運転手を増やすなどの安全対策が後回しになる」という。
◆機器導入で人件費は抑えられるが
和田さんが懸念するのが、国土交通省が進める「点呼の自動化」。これまで対面に限られていた点呼を専用機器による入力でも行えるよう見直す動きで、点呼にかかる人件費を抑えられる。乗務後の点呼では導入済みで、乗務前でも昨年度から実証実験が始まった。
国交省安全政策課の担当者は取材に、「機械を使って記録を残すので、対面より記録が改ざんしにくい」と説明。しかし、和田さんは「人間による点呼では運転手の様子を見て、総合的に体調を判断する。機械では難しい」と指摘した。東京新聞 2024年5月28日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/329778
引用元: ・トラック運転手「点呼?僕の会社もやってない」 首都高3人死亡事故、背景には業界のギリギリな実態が [蚤の市★]
2024年問題によって地方の中小サッシ製造工場の仕事減る?潰れる?
予約しておかないといけないし、勤務時間と同じ時間帯でないとやってない
「本人が早く出発してしまったので実施できなかった」ホントかなあ?
余裕はあるけど出したくないから
負担は全部ドライバーが負えばええんやの精神
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