FNNプライムオンライン5/23(木) 21:18配信
やり直しの裁判で「ウソの自白をさせた」と指摘された警察官は、捜査の正当性をかたくなに主張した。
■厳しい取り調べで「否認しても無理や」と自白を引き起こし やり直し裁判で“無罪”確定
滋賀県の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(44)は、入院患者を殺害したとして12年間服役したが、やり直しの裁判で事件の存在そのものが否定され、無罪が確定した。
当時、逮捕の決め手となったのは西山さんの“自白”だったが…
西山美香さん(2017年):(患者が)亡くなった時の写真を机に並べて、『これを見て何も思わないのか、責任を感じないのか』と。厳しい取り調べを受けていたから『否認しても無理や』と思って…
やり直しの裁判の判決では、西山さんに軽度の知的障害などがあることに加え、取り調べに迎合しやすい傾向があると指摘。「警察官はこれらを認識したうえで、西山さんが知り得なかった情報を教えるなどして、不当に誘導し、ウソの自白を引き起こした」と認定している。
■捜査機関の責任を追及する裁判 取り調べした警察官「一切ない」と否定
その後、西山さんは捜査機関の責任を追及する民事裁判を起こしていて、23日、当時取り調べを行った滋賀県警の現職警察官が出廷した。
-Q.逮捕前の自白について
取り調べを行った警察官:西山さんは『刑事さん、私の不安を取り除いてください。私がしたのは人殺しです』と話したが、供述に変遷があったので信用しなかった。しかし、後日まっすぐ私を見て、涙ながらに話し始めた。
西山さんの代理人弁護士:机の上に亡くなった方の写真を並べて『何も思わないのか』と言った?
取り調べを行った警察官:一切ありません。
取り調べでの誘導や指示などについて繰り返し尋ねられたものの、警察官は「一切ない」と否定した。
そのうえで…
西山さんの代理人弁護士:あなたは、西山さんが患者を殺害していると思っているのか?
取り調べを行った警察官:再審無罪の判決が出ております。組織の一員として、取調官として捜査した。私がお答えすることはできません。
滋賀県警はこれまで捜査に問題がなかったとする姿勢を崩していないが、核心を突いた質問に対し、警察官は明確な回答を避けた。
裁判終了後、
西山さんの代理人 井戸謙一弁護士:(警察官は)組織を守るための証言に終始した。裁判所も言っていることは不合理で、(警察官の証言は)信用できないという印象を、色んな点で与えたのではないか。
西山美香さん:(警察官は)いまでも犯人と思っていると言うか、再審無罪が出たので『犯人と言えない』と言うかと思ったが、変にごまかされたので、あんなもんだと思うしかない。
来週の裁判では当時、捜査を指揮した元警察官の証人尋問が行われる予定だ。
西山美香さん:ひきょうなやり方をするんだなとすごい思った。
裁判の最大の山場を終え、冤罪被害にあった女性は落胆の表情を見せた。
引用元: ・“冤罪”で12年服役の女性「ひきょうなやり方をするんだな」 ウソの自白させた警察官が法廷に 捜査の正当性をかたくなに主張 [モフモフちゃん★]
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