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運動会のシーズンが近づいてきました。楽しみにしている子がいる一方で、「出たくない」と感じる子も5月は特に多いといいます。運動会に参加したくない理由や子どもたちが置かれているストレスフルな環境について、不登校新聞社代表の石井しこうさんに聞きました。(聞き手/AERA with Kids編集部)
■大きな声、練習…意外とストレスフルな環境
――運動会などの行事に出たくないお子さんの話を聞きますが、みんなで楽しくやるはずの行事につらさを感じるのは、どんな要因があるのでしょう?
一つは今、運動会を5月にやる学校も多いですよね。子どもたちの中には、HSC*といって怒鳴り声や大きな声がすごく苦手な子がいます。運動会の練習では先生が児童を率いるために大声になるようなシーンもあり、そういった子が苦しくなってしまう場合があります。
また、運動会では意外と高度なことをやりますよね。みんなで合わせて踊るとか、人間ピラミッドを作るとか。ちょっと難しいことに挑戦させられて、周囲からいろいろと言われて嫌だったという子もいます。子どもたちは、大人が思っている以上に負担を感じているようです。
さらに、そういったストレスフルな環境下で先生の目が普段より届きにくくなると、いじめがエスカレートしやすい。「いじり」がひどくなって手が出てしまったり、ひどい言い方が増えたり。体育の授業なら運動が苦手な子もつらいのは授業中だけですみますが、運動会となると毎日のように練習があって、嫌な時間が長くなってしまう。小学校低学年で、リレーのアンカー選びの際に足の遅い子をわざと選んだといったような話も聞きます。いじめに関する裁判でも、運動会の練習期間にいじめがひどくなったという事例があります。
※HSC・ハイリー・センシティブ・チャイルド(Highly Sensitive Child):非常に敏感で繊細、感受性が高い子。音、においなどの外界の刺激に敏感で、にぎやかな場所や集団行動が苦手といった傾向がある。
■子どもにとっては深刻な場合も
――わが子が「運動会に出たくない」と言ったら、どのように対応したらいいでしょう?
ここは、思い切って休ませてあげたほうがいいです。親は「頑張ることで成功体験につながるのでは。頑張らせたほうがいいのでは」と思うかもしれませんが、子どもにとっては大人の想像以上に深刻に悩んでいる場合があります。ですから、お子さんがつらそうだったら「まあまあ、休んだっていいんじゃない」と寄り添ってあげることが大切です。
なかには先生から「クラスで一致団結してやります。なるべく練習を休ませないでください」などと言われて困ってしまうケースもあるでしょう。ですが、まずは親御さんがお子さんの気持ちをしっかり受け入れて、「うちの子はかなり厳しそうなので、このへんで勘弁してあげてください」と対応することも大切だと思います。
――せっかくの行事、楽しく取り組んでほしいなという気持ちもあります……。
親御さん自身には、運動会が楽しかった、つらかったけどいい思い出になったという経験があるかもしれません。ただ、「お子さんは必ずしもそうではない」という前提がとても大事。「親の気持ち」と「子どもの気持ち」は違うかもしれない。それを念頭に置いてほしいです。
■新しい環境で気持ちも追いつかない
――5月というとクラス替えしたばかり。あまり親しくない子とも協力しなければならない点も大変でしょうか。
まさにそうなんです。運動会ってもともとは秋の行事でしたよね。10月と5月では、5月にやるほうが圧倒的にモメやすい。まだクラスの人間関係ができていなくてギクシャクしてしまったり、子どもたちはクラス替えのことを「担任ガチャ」「クラスガチャ」とか言ったりするほど、新しい環境に苦しんでいる子が多い時期なんです。
そんな状況で「練習するぞ」と言われても、気持ちが追いつかない。親や先生が楽しい行事だと思っていても、子どもたちは普段と違う環境で大変な思いをしている可能性が大いにあるので、苦しんでいたらちょっと距離を取らせてあげるのも親の仕事かなと思います。
行事に参加しないと後ろめたいかもしれませんが、お子さんの気持ちを優先することが大切。そんなふうに考えてみてはいかがでしょうか。
(構成/布施奈央子)
引用元: ・【学校】5月の運動会が増え、子どものストレス・トラブルも起きやすく 不登校の専門家に聞く「出たくない子」の背景 [征夷大将軍★]
って気持ちはわかる
まぁクラス替えとか縁のないド田舎の学校だけど
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