こうした状態はまとめて新型コロナ後遺症と呼ばれ、数週間から数カ月、ときに数年も続くことがある。
新型コロナ後遺症の原因はまだ解明されていないが、免疫系の異常な活性化が症状の持続に大きな役割を果たしていると考えられている。
今回の研究では、後遺症の症状が改善しなかった患者もいる理由は解明されていないが、研究を率いたオーストラリア、セント・ビンセント病院の感染症内科医ゲイル・マシューズ氏は、他の異常が原因になっている可能性があると話す。
しかし、多くの患者では、最初の感染から2年後には、免疫系の異常な活性化や自己申告の症状が大きく改善したことが示されたという。
新型コロナウイルスによる感染の第1波がオーストラリアを襲った2020年4月、同国ニューサウスウェールズ大学カービー研究所の科学者たちは、一部の新型コロナ患者から血液サンプルを定期的に取り始めた。
患者はその際、自身の健康状態についても報告した。なお、ワクチンの接種が始まる前だったため、感染したときに接種を受けていた患者はいない。
それによると、感染から8カ月たっても疲労感や息切れ、胸痛などがある人は、後遺症がなく完治した人に比べて、炎症に関係する「サイトカイン」という分子の血中濃度が高い状態が続いていた。
「新型コロナ感染症自体は軽症から中等症だった人でも、後遺症があると、感染から8カ月後になっても炎症のバイオマーカー(指標となる物質)の値が高いままだったのです。非常に意外な発見でした」と、カービー研究所の免疫学者で、2022年と今回の両論文の筆頭著者であるチャンサバット・ペッツーパン氏は振り返る。
研究者たちは今回、62人の被験者(そのうち31人が後遺症患者)をさらに1年半、追跡調査した。
その結果、以前は免疫の異常な活性化を示していた血液サンプルのバイオマーカーの値が、最初の感染から24カ月後にはほぼ正常値まで下がっていて、後遺症がなかった人との差がみられなくなった。
今回の研究では、2022年の研究で後遺症と関連づけられたバイオマーカーについて調べられているが、「補体」の過剰な活性化や血液凝固系の異常など、
新型コロナ後遺症に関わるその他の要素については評価されていないと指摘するのは、ドイツ、ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ医療センターの免疫学者ウォルフラム・ルフ氏だ。
今回、追跡調査に協力した後遺症患者の62%は症状が改善したと報告しているが、それ以外の患者は、バイオマーカーの値が改善しても、後遺症の症状のせいで生活の質は低いままだと報告している。
この点についてマシューズ氏は、「症状が回復しなかった人がいるという事実を無視しないように気をつけなければなりません」と言う。
「免疫系の異常な活性化では、新型コロナ後遺症のすべての症状を説明できません。私たちは、新型コロナ後遺症が複数の疾患からなっている可能性があることを知っています」とマシューズ氏は話す。
最初の感染から数年たっても症状が治らない新型コロナ後遺症患者が少なからずいる理由は、米国立衛生研究所(NIH)のRECOVERイニシアチブなど、より大規模な研究の結果を待つ必要があるかもしれない。
「免疫系の異常が新型コロナ後遺症と関連していることは明らかです」と、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校J・デビッド・グラッドストーン研究所の免疫学者ナディア・ローン氏は話す。
「ただ、それが新型コロナ後遺症の原因であるかどうかはまだ分かりません」
引用元: ・【コロナワクチン未接種だった62人の被験者(そのうち31人がコロナ後遺症患者)を追跡調査】2年で後遺症患者の62%は症状が大きく改善、免疫の異常が落ち着く、それ以外の患者は、症状が回復しなかった
>なお、ワクチンの接種が始まる前だったため、感染したときに接種を受けていた患者はいない。あーそういうことかw
もしかしたらS学会が、こっそり電磁波で攻撃してるのかも
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