選挙結果の大幅改竄疑惑を抱えて通算5期目に入るプーチン独裁体制は正統性を欠き、ウクライナ侵略戦争を進めるプーチン氏への「国民の支持、団結」が示されたとの体制の主張は虚構に過ぎない。
中央選管によると、投票率は77.49%、プーチン氏は得票率87.28%で7627万7708票を獲得した。しかし、選挙監視団体ゴロスなどの検証では、実際の投票率は約55%でプーチン氏の得票率は40%超、約5000万票を獲得したに過ぎないという。
大統領選の投票結果の検証は、中央選管が公式サイトで公表した、各地区選管の時間ごとの開票作業報告に基づいて行われた。
全国の投票所の約98%に当たる9万3000カ所のデータを検証した。
検証で使用されるのは物理学者で選挙データ分析専門家のセルゲイ・シピリキン氏が2000年代に開発した方法だ。
開票作業の推移を分析すると、地区選管がある時点から人為的に投票率を引き上げ、政権側候補の得票を水増しした経緯が浮かび上がる。
今回大統領選でも、投票率の不自然な上昇開始とともにプーチン氏の得票が伸びる同一現象が各地区選管の記録で確認された。
「シピリキン方式」が把握できる不正は、投票箱に違法に投じられた「水増し票」と、選管の報告書に記された「改竄された投票率、得票数」の二つに限られるが、その規模は最低でも2200万票に及ぶ。
モスクワ市など一部地域で実施された電子投票の440万票と、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ南東部4州の投票結果(有権者約450万人)は、開票経過のデータが不明のため検証対象に含まれていない。
実際のプーチン氏の水増し票数はさらに多いとみられる。
大統領選は初めから終わりまで不正の連続だったようだ。候補者登録の段階で、中央選管がウクライナ戦争に批判的な2人に対し、書類の不備や、支持者の署名が偽物であることなどを理由に立候補受理を拒否した。
投票の段階では、公務員、公共企業の社員、大学生らに対し関係当局が圧力をかけて投票を強要した事実が全国で確認された。
極め付きが中央選管による投票結果の改竄だ。中央選管は従来招いていた欧州安保協力機構(OSCE)の選挙監視団を今回は受け入れず、開票作業は不正をチェックできない「密室」で行われた。
選挙監視団体ゴロスは、24年に及ぶプーチン氏統治の中で「憲法規定を最も露骨に無視した大統領選挙」と批判している。
2000年の大統領選挙で初当選したウラジーミル・プーチン氏の体制下で、ロシアの大統領選や下院選などで大規模不正が恒常的に行われるようになった。
11年12月の下院選では政権与党「統一ロシア」の大規模な不正が発覚し、モスクワなどで大規模の大抗議デモが起きたが、体制は指導者らを拘束して弾圧した。
20年7月に実施された、プーチン氏の長期続投を可能とする憲法改正の是非を問う全国投票でも、中央選管による大規模不正疑惑が発覚。中央選管は投票率は67.97%、改憲賛成が77.92%、反対は21.27%と発表。
しかし、選挙データ分析の専門家セルゲイ・シピリキン氏は、実際の投票率は42%程度で賛成は約65%、反対は約35%。
投票総数の3割超の約2400万票が改竄された疑いがあると指摘した。
引用元: ・【ロシアの独立系の選挙監視団体やメディアの検証で明らかに】ロシア大統領選で3割以上得票水増し 「史上最大の不正選挙」
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