キャサリン妃は22日に公開した動画で、がんと診断されて化学療法を受けていることを明らかにした。動画はSNSの公式ページに投稿され、テレビでも放映された。
それから3時間で、英国民保健サービス(NHS)イングランドのウェブサイトの「がんの症状」を説明するページには、4172回のアクセスがあった。この数は前週の同時間帯の2倍以上で、およそ3秒に1回アクセスがあったことになる。
うち約1700回は、キャサリン妃の発表から1時間以内のアクセスだった。発表後24時間のアクセス数は2840回で、 前週同時期の4.73倍だった。
これらのアクセス回数は比較的少ないように見えるかもしれないが、全国的にみてもがんへの関心は急上昇した。
英国のグーグル検索では、キャサリン妃の公表直後からがんに関する検索が16倍以上に増えた。
NHSのウェブサイトはさまざまな病気についての情報を掲載しており、英国では信頼できる健康情報源としてよく使われている。
■若い女性は「がんで多くを失う可能性」
専門家らは、キャサリン妃の診断が、がんやがんの症状への関心を高めることを期待している。
NHSイングランドのがん担当ナショナル・クリニカル・ディレクター、ピーター・ジョンソン教授は、キャサリン妃が公表したおかげで「がんの兆候や症状について紹介しているウェブサイトにある重要な情報を閲覧する人が急増した」と指摘。
「がんが話題にのぼることで人々が異変を感じた時にすぐに行動に移すようになれば、命が救われることは間違いない」と述べた。
英レディング大学のナザニン・デラクシャン教授(実験精神病理学)は、がんが若い女性に及ぼす影響についての理解にもっと焦点を当てるべきとの見方を示している。
英サイエンス・メディア・センターがキャサリン妃の公表に関する専門家のコメントをまとめたページで、デラクシャンは「がんが若い女性に及ぼす影響は見た目以上だ」と指摘。
「若い女性はフルタイムの仕事に就いていたり、幼い子どもがいたりすることが多い。また、家族を1人で養っていたり、あるいは家庭を持ちたいと思っていたりもする。
がんはこれらのすべてに悪影響を及ぼし得る」と述べた。
人生の最盛期にある若い女性は、がんによって失うものが多いかもしれないとデラクシャンは説明。だが「がんが若い女性に及ぼす心理的、社会的影響を研究する体系立った試みはこれまでになく、取り組む必要がある」という。
キャサリン妃のがんは、腹部手術後の検査で確認された。英王室はがんの種類を明らかにしていない。
キャサリン妃は現在、予防的な化学療法を受けている。アジュバント(術後補助)化学療法とも呼ばれ、通常、腫瘍の摘出後にがん再発リスクを減らすために用いられる。
レディング大学のフィル・ダッシュ教授(がん生物学)は、サイエンス・メディア・センターで「腫瘍摘出の際、がん細胞がわずかに残る可能性があり、治療しなければ再発の恐れがある」と指摘。「予防的な化学療法は、残ったがん細胞を破壊し、がん再発の可能性を低くする」と説明した。
英インペリアル・カレッジ・ロンドンの腫瘍学主任教授で、ハマースミス病院のがん部門を率いるイアン・マクニッシュは「手術では、視認できる部分でがんの疑いがある部位をすべて取り除くことができるが、体内に微小で目に見えないがん細胞が残り、再び増殖する可能性がある。がんがときに再発するのはこのためだ。
アジュバント化学療法の目的は、目に見えないがん細胞を破壊し、再発を防ぐことだ」と説明している。
引用元: ・【英国】「がん」検索が急増 キャサリン妃の公表で関心高まる・・・若い女性は「がんで多くを失う可能性」
エラー細胞を排除しやすくなる
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