数カ月後、その新入行員は男性トレーダーからスカートを短くして高いヒールを履いて出勤するように言われ、彼女の恋愛について何度も尋ねられたという。
シティのニューヨーク株式部門は、一流のヘッジファンドなどウォール街の顧客に助言し、取引を執行している。だが同部門で働いていた、あるいは同部門と近い関係にあった22人へのインタビューによると、この出来事は決して特異なことではない。根強いハラスメント(嫌がらせ)と差別があったことを示唆している。
この証言は、このような行為が22年まで続いていたと主張するマネジングディレクターが昨年起こした訴訟での主張と呼応している。この訴訟の後、同行のトレーディング責任者は、不正行為を発見した場合は報告するよう行員に注意を促した。
報復を懸念して匿名を条件にインタビューに応じた行員によれば、行内では少なくとも10年以上にわたって、行員らが公然と同僚の女性を見つめ、外見で評価し、性的征服について自慢していた。
同部門では、オフィス内でコカインを使用するなどの行為もあったという。
上層部や人事部への苦情は改善につながらず、孤立した内部集団というイメージを助長し、何人かの行員を辞めさせたが、加害者とされる一部の行員はまだ残っているという。
シティでは3年前、ジェーン・フレイザー氏が米主要銀行初の女性最高経営責任者(CEO)に就任。同行は歴史に名を刻み、より公平な企業文化という多くの指標でライバルをリードした。
しかし、女性が歓迎されないと感じるような行為を抑制するために何十年も奮闘してきた金融業界の中でさえ、同行の株式トレーディング部門内での振る舞いは際立っていた。
シティの広報担当マーク・コスティリオ氏は、職場で差別やハラスメントがあってはならないと指摘。「包摂的で公平な職場のカルチャーを醸成する努力は決して止まることはなく、シティの基準を全行員に十分に理解され順守されるようにすることは、継続的かつ積極的なプロセスだ」と述べた。
「性の対象」
18年頃に新しい若い同僚らが入行する前、行員らは入行予定者の写真を含む書類を回覧。それを見た1人と、当時そのことを聞いた他の2人によると、行員らは新人たちの魅力を見定め、お気に入りについて公然と話し合っていた。
昨年11月にマネジングディレクターのアーディス・リンゼイ氏が起こした訴訟にも同様の記述があった。
リンゼイ氏は訴訟で、ベルバシール氏は女性を無視し、性的な征服について話し合うことで絆を深めていた男性管理職グループの中にいたと主張した。
コスティリオ氏は「ベルバシール氏に関する言及は、シティが強く争っている訴訟における根拠のない主張に基づいている」と述べた。
リンゼイ氏にはそうした男性管理職の1人がマニ・シン氏であり、リンゼイ氏に交際を強要し、彼女と彼女の子供たちを脅した幹部であったと訴えている。
コカイン
ウォール街でバンカーやトレーダーが薬物を使用することは以前からあったが、このグループにおける薬物の広がりは、他行で働いたことのある行員にとっては目に余るものだった。マンハッタン本店で、またシティ以外で同僚や顧客とバンカーがコカインをやっているのを見たことがあると3人が証言している。
このチームの女性メンバーの1人は、16年頃にトレーディングフロアに鼻と唇の間に白い残留物がある同僚がいたため、それを拭き取るよう勧めたと打ち明けた。
引用元: ・【米銀シティグループの関係者が証言】ハラスメントやコカイン使用、株式部門で長年横行
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