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中国で進む高速鉄道計画をめぐり、複数の課題が顕在化している。巨額債務と「ゴースト駅」の問題、そして値上げによる利用者の否定的な反応だ。
全土に張り巡らせた4.8万キロの路線は日本の新幹線の15倍に及ぶが、地方路線では需要が見込めず、使用停止または未使用のまま放置された「ゴースト駅」は20ヶ所以上とされる。
習近平政権は2025年末までに5万キロへの拡大を目指すものの、人口減少や地方財政の悪化でインフラ投資の見直しを迫られている。
◆米紙「史上最大級の公共事業」
中国の高速鉄道網は、まもなく4万8000キロを超える見通しだ。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は昨年11月、「中国政府は過去5年間で5000億ドルを超える投資を行い、高速鉄道は中国の技術力を象徴する巨大公共事業となっている」と述べている。同紙は巨大な規模を「歴史上最大級の公共事業の一つ」と表現する。
シンガポールのテレビ局CNAによると、中国政府は2035年までに鉄道網を20万キロまで拡大する計画だ。うち7万キロを高速鉄道が占めるという。現在運行中の「復興号」と呼ばれる高速列車は時速350キロで走行し、世界最速の水準を誇る。さらに2024年には時速400キロまで速度を引き上げる計画だ。
路線網は主要都市を数時間で結び、航空・高速道路の代替として内需刺激や地域統合の柱と位置づけられてきた。車両や信号システムは国産化が進み、海外受注を狙う鉄道輸出のショーケースにもなっている。
引用元: ・中国の高速鉄道網の負債130兆円、各地に「幽霊駅」…赤字拡大で値上げと賃金未払い捗る [662593167]
■債務額はメキシコ政府債務に相当
だが、計画には黄信号が灯っており、高速鉄道事業の債務が深刻な状況に陥っている。事業を統括するのは国営企業の中国国家鉄路集団だが、同社が抱える債務総額は2023年末時点で6兆1282億元(約130兆円)に達する。
メキシコ政府の債務に匹敵する規模だ。中国国家鉄路集団は2023年に33億元(約700億円)の営業利益を計上したものの、債務返済に十分な水準には程遠い。
WSJは、同社の負債がすでに1兆ドル規模に迫るとし、地方政府との合弁路線分の借り入れも含めれば実態はさらに重いとみる。低運賃維持と補助金依存で収益改善が進まず、債務の「雪だるま化」が避けられない構図だ
WSJによると、同社の債務返済負担は年ベースで25億ドルに及ぶ。同紙は、「中国政府はインフラ投資による成長を重視してきたが、すでに必要な施設はほぼ整備を終えている」と指摘し、大規模な鉄道計画の必要性に疑問符をつけた。
さらに記事は、「今後30年間で中国の人口は約2億人減少すると予測されており、乗客数の増加は特に困難な課題となる」との見方を示している。
◆最大4割の値上げで収益改善を狙うが…
経済苦は利用者に転嫁されている。CNAによると、巨額の債務問題の解消に向け、2024年初めから主要4路線で運賃値上げに踏み切った。対象は利用者の多い幹線で、収益の底上げを急ぐ狙いがある。一方で地方路線は赤字のまま温存されており、黒字区間の値上げで全体を支える構図が透ける。
値上げ幅は一等席と二等席で約2割、VIPビジネスクラスでは最大4割に達するという。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は具体例として、武漢・広州間の約960キロの区間で、二等席が78ドル、一等席が125ドル、ビジネスクラスが273ドルになると伝えている。
国営の中国国家鉄路集団は新華社通信に対し、「路線の維持管理費、車両購入費、設備更新費、人件費が大幅に変動している」と値上げの理由を説明している。
ただ、給与の伸び悩みが続くなかでの負担増に反発は強く、SNSでは「物価は上がるのに給与は増えない」といった不満が相次いだ。鉄路集団は混雑期の上乗せと閑散期の割引を組み合わせる変動運賃を広げ、オフピークの割引拡大で負担感の緩和を狙うとしている。
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