■新党結成に揺れる創価学会
「別に立憲民主党が嫌いなわけじゃないんですよ。でも、どうしても投票する気にはなれなくて……」
筆者が取材した30代男性の創価学会員は、釈然としない表情でそう語った。
1月16日に正式発表された「中道改革連合(以下「中道」)」の結党に、創価学会が揺れている。昨年の10月10日に自民党との連立離脱を発表した公明党と、野党第一党である立憲民主党を中心に「中道勢力の結集」を掲げて結党された政党だが、公明党の支持母体である創価学会では今回の動きに対してさまざまな反応があるようだ。
冒頭で紹介した30代男性の学会員は「投票する気になれない」と語る一方で、20代から50代の幅広い層の学会員に話を聞いてみると、「別に入れてもいい」という消極的容認派から、「立憲は嫌いだから絶対に入れない」という拒絶派まで、その反応は一様ではない。
特に若い世代からは「立憲じゃなくて国民民主に入れる」という声が多かった。
■創価学会員の“本音”はどこにあるのか
かつて「鉄の団結」を誇った創価学会票の行方が、これほどまでに不透明になったことはこれまでなかった。自公連立が崩壊し、急激な新党結成の流れのなかで次期衆院選に向けた学会員たちの本音はどこにあるのだろうか。
本稿では、創価学会員への取材や候補予定者たちの言動から、「新党結成後の創価学会の雰囲気」を紹介し、そのうえで学会票の行方を探る。
まず、創価学会の支援体制の変化を読み解くために、新党結成を受けて創価学会が行った「全国地区部長会」の中継会場で起きた“ある異変”を紹介したい。
1月18日午前10時、全国各地にある創価学会の会館で「全国地区部長会」の放映が行われた。取材した創価学会員によると、この集会は新党結成の正式発表に先立つ1月15日に開催の連絡があったようだ。
現場のテンションは冷ややかだったという。
放映終了後、首都圏のとある会館では地元幹部が参加者たちに向かってこのように語ったという。
「立憲に入れたくないという方は、ご自身で判断してくださって結構ですので」
この発言が意味するところは重い。
従来であれば、学会組織は決定した支援候補に対して一丸となって票を投じるよう強力に働きかけるのが当たり前だった。しかし今回は「自分で判断していい」、つまり「投票しなくても構わない」という発言が現場レベルで出ているのである。
取材を進めると、温度差の実態がより鮮明になってきた。公明党の候補者が名簿上位に掲載されると言われている比例区に関しては、「しっかり応援しよう」という空気が醸成されている。
しかし、立憲民主党出身で中道から出馬する候補しかいない小選挙区に関しては、これまでのような具体的な支援に関する指示が出ていないという。
創価学会で「地区協議会」と呼ばれている現場の学会員が集まる打ち合わせの場においてさえ、話題に上るのは比例区のことばかりであり、小選挙区の話題には誰も触れようとしないというのだ。
こうした現場の「やる気のなさ」は、選挙活動の根幹をなす「報告項目」の変化にも如実に表れている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fae84bff2b66da73a5728b20b37f6bb2ef9f5784
引用元: ・【立憲は嫌いだから絶対に入れない、新党結成に揺れる創価学会】創価学会員に取材したライターの片山一樹 「特に若い世代からは「立憲じゃなくて国民民主党に入れる」という声が多かった」
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「○K(マルケー)」:支援活動を行っている活動家の数
「F」:友人に選挙の話をした数(FriendのF)
「○F(マルエフ)」:自発的に支援活動をしてくれる友人の数
「Z」:期日前投票を済ませた友人の数
「J」:投開票日当日に投票した友人の数
「内H」:内部票、つまり創価学会員の投票数
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さらに有権者名簿を作成する際には、これら以外にも細かい項目が立てられているという。この徹底した数値管理こそが、創価学会の「集票マシーン」としての力の源泉だったと考えられる。
ところが、今回取材した地域の学会員によると、異常事態が起きているという。これらの報告項目のほとんどが省略されているのだ。
名簿の更新自体は必須とされているものの、具体的に何を報告するかは地域ごとの判断に委ねられている。取材した地域では、「内部票(内H)」だけの報告で済ませることになったという。
これまでは具体的な数値目標を設定し、その達成に向けて組織全体が動いていたからこそ、確実な票を積み上げることができた。しかし今回は、その報告義務がない。報告がなければ、当然ながら緊張感も生まれない。
実際に「今回は報告がないから気が楽だ」という安堵の声も出ており、選挙戦としての熱量は著しく低下している。
立憲側は、選挙協力による学会票の上積みをあてにして新党を結成したと考えられるが、現場の実態を見る限り、従来通りの“学会票”は期待できないと考えたほうがいいだろう。
■「イデオロギーの違い」と支援力の関係
今回の選挙において、創価学会が従来通りの強固な選挙態勢を取れなかった理由はいくつか考えられる。
まず、第一にあげられるのが、突如として行われた解散による準備不足だ。高市早苗総理が断行した「電撃解散」は、組織に大きな混乱をもたらしたと考えられる。創価学会の支援活動は本来、長い準備期間を要するものであり、今回のような急な選挙への対応は構造的に難しい。
次に、小選挙区から完全に撤退し、比例代表のみで戦うという初めての経験をしていることも理由としてあげられる。
そのうえ、同じ信仰を持っている「同志」ではなく、まったく交流のない他党出身の議員を応援するのは心情的にも困難であると考えられる。
加えて、「そもそも、イデオロギーの異なる立憲民主党出身議員とは歩調が合わないのではないか」という指摘も根強い。しかし筆者は、政策や理念の不一致が、現場の亀裂の主たる原因ではないと考えている。
他の宗教団体と同じようにつつましく生きればいい
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