事件の最大の謎は、被告が抱いていた教団への恨みが、最終的になぜ氏に向けられたのかという点。氏と教団の結びつきを示す根拠の一つとされるのが、3年9月、氏が教団の友好団体に寄せたビデオメッセージだ。教団トップの韓鶴子(ハンハクチャ)総裁に「敬意を表します」という発言が含まれていた。
■弁護側「国家が後ろ盾を与えたような衝撃」
弁護側証人として出廷した教団被害の救済に携わる弁護士は、このメッセージについて「国家が教団を承認し、後ろ盾を与えたような衝撃がある」と証言。後日行われた被告人質問では、被告も同様の感想を述べ、氏に対し「嫌悪感、敵意が徐々に強まった」と説明した。
被告の家庭生活は母親の入信を機に、中学生ごろから一変。信仰に反対する祖父と母親の衝突が絶えないようになり、高額献金で困窮状態に陥った。30代のころには教団を憎んでいた兄が自殺。それからの被告は旧統一教会に打撃を与えることが「人生の意味」と考え、教団幹部の襲撃を計画するようになった。
弁護側は「教団を知る者は、氏がほかの政治家に比べて、教団との関係が深いと認識していた」と主張。教団への恨みと氏に対する銃撃は一直線に結びついており、不遇な生い立ちを量刑上考慮すれば、有期刑が相当だとする。
■氏は「教団幹部の代替」と検察側
一方の検察側は、被告自身が公判で「(氏は)本筋ではない」と発言するなど、氏に殺害されるほどの落ち度があるとは考えていなかった、と疑問を呈する。
事件前月に仕事を辞めて経済的な破綻が迫り、教団幹部の来日が見込めない中、襲撃計画が実行できなくなることを恐れ、事件5日前に急遽(きゅうきょ)「代替」として氏に標的を変更したと指摘。この過程における生い立ちの影響は「極めて限定的」で、量刑上重視すべきではないと強調する。
その上で被告にとって氏は教団に打撃を与える「道具」に過ぎず、「自己中心的で酌量の余地はない」と非難した。
■「発射罪」の適用可否も争点
公判では、山上徹也被告がインターネット上の情報をもとにパイプ銃や火薬を製造した過程も明らかになった。
被告はネットで拳銃を購入しようとして失敗した後、令和2年12月、主に米国で投稿された動画を見ながら製造を開始。材料はホームセンターや通販サイトで市販されている水道管の鉄パイプなどで、裏付けが取れただけでも計847点(約60万円)の材料を購入していた。
銃はのべ10丁を製造。火薬も製造用のアパートやガレージを借り、配合を試行錯誤しながら計2キロ以上を完成させた。
こうした手製銃が銃刀法の規制対象になるかどうかも公判の争点になった。事件当時の銃刀法では発射罪が適用されるのは「拳銃等」に限定され、あらゆる銃が対象になるわけではなかったからだ。
検察側は、氏に対して使われた銃の口径は20ミリ以上で、拳銃等のうちの「砲」に当たると主張。発射罪の適用を前提に求刑を導いた。
ただ法律上、砲の定義は明確ではなく、弁護側は20ミリ以上の口径に合う大型弾を撃てる能力も要件だとし、同罪は成立しないと訴える。こうした法律判断も量刑に影響する可能性がある。
(西山瑞穂、喜田あゆみ)
[産経新聞]
2026/1/20(火) 17:12
https://news.yahoo.co.jp/articles/6c85dd3613c6569f557a2b182f015c094fb7b95e?page=2
引用元: ・【山上徹也】「旧統一教会への恨み」、なぜ安倍氏へ… 標的変更の評価争点 元首相銃撃裁判あす判決 [煮卵★]
控訴審ではTM報告書を証拠として出せば国士として情状酌量されるだろう
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