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■中国語が飛び交う、石和温泉の今
かつて関東随一の歓楽街として名をはせた石和温泉は、バブル期の勢いにも乗り、1980年代後半から1990年代にかけ、最盛期を迎えた。首都圏からのアクセスの良さを売り物に、近郊では熱海などと並ぶ勢いを誇った。まだ、日本企業が会社をあげて社員旅行や忘年会、年末の納会などを盛んに行っていた時代に重なる。
だがバブル崩壊後、一気に勢いは陰る。約60軒あった組合加盟の旅館数は、今では半分にまで減った。温泉街の目抜き通りを歩いても、シャッターを閉めた店が目立つ。営業を休止したパチンコ店は、まるで廃墟のようになっていた。
弱る温泉街。買いに出たのが中国資本だった。取材班が、石和温泉にある旅館やホテルなど40の主要施設を対象に調査を試みると、中国資本に買収された施設は、温泉街全体の25%を占め、既に10軒にも達していることが分かった。
買収が始まったのは2010年代前半。後継者不足で廃業した旅館・ホテルが主な対象となり、勢いは新型コロナウイルスの感染拡大後に加速した。古屋さんは「新型コロナの影響は本当に大きく、旅館が倒産して、経営者が夜逃げしたホテルまでありました。そこに手を伸ばしてきたのが中国勢。だから温泉街が真っ暗になるよりは、もうこの際、中国人にオーナーになってもらった方が、マシかなと思うようになりました」と、振り返る。
ホテル「甲斐路[かいじ]」はその一つだ。2021年、東京で通販業などを営む孫志民[サンジミン]社長が買収した。経営不振に陥っていたホテルに大がかりなリフォームを施し、中国でも大々的に宣伝するなどして見事に経営を立て直す。今では宿泊客の8割が中国人だ。
この石和温泉では、ホテルを経営する「売り手」も、観光客の「買い手」も中国人という構図。日本を舞台に、日本人は抜きにして、中国人の間だけで完結するビジネスが今こうして、リゾートでも広がりをみせる。
(中略)
「中国人からすると、日本の不動産はどこもバーゲンセールのようなものですね」
バーゲンセール――。おそらく、本当にそうなのだろう。取材班は、中国資本による地方リゾート、温泉施設などの買収が、現在どこまで進んでいるのか、各地の状況を徹底的に探ることにした。まず、都道府県などが所有する旅館業法の許可施設一覧を、情報公開請求で入手。施設一覧には、施設名や住所、許可年月日に加え、施設を所有する個人名や法人の代表者名も記載されている。この名前を基に中国資本とみられる施設を抽出した。
だが、これらの名前だけでは所有者が本当に中国人かどうかは分からない。そこで運営会社の土地、建物を登記簿謄本で調べた。謄本には、運営会社の代表者や土地、建物の所有者の住所が記されている。その住所が中国であれば、中国資本であると判断できるわけだ。取材班が今回、取得した登記簿謄本は計300件以上に上った。さらに取材で確認した買収事案も含めて集計した。時期は、買収が特に増えた2010年以降のケースを原則、調査対象とした。その調査結果が、下記の図表2である。
少なくとも中国資本による主な買収は、全国39自治体の67施設に及ぶことが分かった。箱根や伊豆など人気観光地の施設がずらりと並んだ。それだけではなく、新潟県阿賀町[あがまち]や石川県白山[はくさん]市、鳥取県三朝町[みささちょう]などの、知る人ぞ知る地方の観光地も目立った。
■日本の地方リゾートの物件情報が並ぶ中国の不動産サイト
ただ、この結果をもってしても、中国資本による買収案件は、一部ではないかとみられる。「実質的な所有者が伏せられ、登記情報と実質的な所有者が一致しないケースも少なくない」(東京都の信用調査会社)からだ。実際、取材の過程では伊豆市内の旅館などでこうしたケースを確認した。
「伊豆・新築温泉ホテル 一戸建て 上場企業のデベロッパー直営 日本への移住者支援 553万元(約1億2000万円)」
「軽井沢・東京裏庭一戸建て住宅 日本への移住者支援ヴィラタイプ 305万元(約6200万円)」
「東京――富士山麓―富士園5期ホテル――賃貸契約あり 238万元(約4800万円)」
中国の大手不動産サイトでは今なお、こうした日本の地方リゾートや老舗旅館などの物件情報がずらりと並び、活発な売買をうかがわせる。
※全文は出典先で
引用元: ・「日本の不動産はバーゲンセール」夜逃げしたバブルの残骸を中国勢が次々と買収…石和温泉の4軒に1軒が中国資本「客の8割が中国人」 [七波羅探題★]
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