川を挟み、76棟が壁のように立ち並ぶ。その一角にナンプラーや春雨などアジア系の食材を扱う商店があり、ベトナム料理店から香草の香りがほのかに漂う。
神奈川県大和、横浜両市の県営「いちょう団地」(総戸数約3600戸)は、世帯数2824戸(昨年4月)の2割が外国人世帯だ。
1975年のベトナム戦争終結後、多くのインド中国難民が日本へも逃れた。政府は80年、日本語教育などを行う「定住促進センター」を大和市に開設、近くの団地で難民が暮らすようになった。90年の入管難民法改正で日系3世まで就労可能となったのを機に、中南米出身者も増えた。
「食文化や習慣の違いによるトラブルは絶えなかった」。同市側の団地連合自治会長、遠藤武男さん(84)が振り返る。生肉をベランダに干したり、屋外で宴会をしたり。ごみが分別されず、頻繁に苦情が入った。
ごみ出し日を多言語で記した貼り紙を掲示したほか、みそ汁の作り方を教え、祭りでみこしを担いでもらった。ボイラー関連の仕事に従事するテルヤ・カティウスカさん(51)はボリビア出身で、来日当初は言葉に苦労した。自身も母国の料理を振る舞うなどして交流を深めたという。「手を差し伸べてくれたおかげで、仲良くなれた」と話す。(略)
2020年の国勢調査によると、約8万4000の外国人世帯が公営や都市再生機構(UR)の団地などに住む。URが掲げる保証人、礼金不要といった点も選ばれる要因とみられ、10年で約1万1000世帯増えた。日本人住民の高齢化で生じた空室を埋めるように外国人が入居している実態もある。
URが管理する京都府八幡市の「男山団地」(総戸数約4500戸)にはベトナム人が多く住む。1970年代に建てられ、大阪、京都への接続の良さもあり子育て世帯が多く住んだが、入居者の高齢化が進んで空室が増えた。
しかし、食品加工業や製造業で働くベトナム人が増加、URが企業に社宅として貸し出すなどしたこともあり、入居率は9割程度を維持する。ここでも騒音などの問題はあり、市や自治会は生活ルールや相談事例の冊子を作るなどした。
団地近くで日本語教室を主宰する足立光生さん(79)は「少しずつ壁はなくなっている。教室を契機に社会に溶け込んでくれたらいい」と期待する。昨秋まで団地で暮らしたグエン・トゥック・ユエンさん(34)は「日本のママ友が子育ての相談にも乗ってくれた。私も架け橋になりたい」と話す。
東洋大の村上一基准教授(国際社会学)は「外国人が住む団地は共生の縮図。地域の力が低下する中、外国人を含む若い世代をどう巻き込むかが課題だ。参加しやすい環境作りを地域で一緒に考える必要がある」としている。
全文は↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/fc288fa323294cd0bc257b15ef48204459c87502
[読売新聞]
2026/1/10(土) 8:36
引用元: ・【共生】外国人が住む“団地” みそ汁の作り方教え、祭りの神輿担いでもらう 「長い時間かけ信頼関係築いた。」 [煮卵★]
コメント