NY円相場、続伸　1ドル=156円20-30銭　円買い介入への警戒続く

片山さつき財務相が22日、過度な相場変動に「断固として措置を取る」と発言したことを受けて、日本政府・日銀による円買い為替介入が入るとの観測が強まっている。日銀は19日まで開いた金融政策決定会合で利上げを発表したものの、今後の利上げを慎重に行う姿勢を示したことから、足元で円安・ドル高の地合いが進んでいた。

市場では「日銀が利上げを発表した後から為替介入のリスクが高まっている」（バノック・バーン・グローバル・フォレックスのマーク・チャンドラー氏）との声が聞かれ、円を買ってドルを売る動きが続いた。

円相場は伸び悩む場面があった。23日朝発表の2025年7-9月期の米実質国内総生産（GDP）速報値は前期比年率4.3%増だった。23年7-9月期以来の高水準となり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想（3.2%増）を上回った。

発表直後に米10年債利回りは前日比0.04%高い（債券価格は安い）4.20%を付ける場面があり、日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが出た。ただクリスマス休暇に伴い休みを取る市場関係者も多く持ち高を一方向に傾ける動きが限られた。

円の高値は155円96銭、安値は156円53銭だった。

円は対ユーロで続伸し、前日比35銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=184円20-30銭で取引を終えた。円買い為替介入への警戒があり、対ユーロでも円が買われた。

ユーロは対ドルで続伸し、前日比0.0040ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1790-1800ドルで取引を終えた。対円でのドル売りの流れが、ユーロ買い・ドル売りに波及した。

ユーロの高値は1.1797ドル、安値は1.1765ドルだった。

日本経済新聞　2025年12月24日 8:05
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL23CE60T21C25A2000000/