2025年12月24日
チョークなんてどれも同じでは?そう思っている人ほど、この話に驚かされるかもしれません。
かつて世界中の一流数学者たちが「一生分を買いだめした」と語り、チョーク界のロールスロイスとまで呼ばれた日本製品がありました。
それが、日本の文房具メーカー・羽衣文具が生み出した「ハゴロモ・フルタッチ・チョーク」です。
世界の数学者を虜にしたハゴロモ・フルタッチ・チョーク
羽衣文具は、愛知県に本社を構えていた日本の文房具メーカーです。
同社が製造していた「ハゴロモ・フルタッチ・チョーク」は、国内ではもちろん海外の大学や研究機関でも高い評価を受けていました。
数学者たちがこのチョークを特別視した理由は、単なる書きやすさではありません。
軽い力でも濃く、均一な線が引ける感触、折れにくく、粉が舞いにくい構造、長時間使っても指や腕が疲れにくい設計、黒板に数式を書き続ける研究者にとって、これは思考の妨げにならない道具としての完成度を意味していました。
実際、アメリカの名門大学に所属する数学者たちは、「チョーク界のロールスロイス」、「天使の涙でできているのではないか」、「このチョークを説明するために誤った定理を使うことはできない」といった言葉で、その品質を称賛しています。
冗談交じりの表現ではありますが、それほどまでに他のチョークとは別格の存在だったのです。
廃業が引き起こした危機と混乱
この伝説のチョークは、羽衣文具が後継者不在を理由に自主廃業、2015年に突然姿を消します。
このニュースは、海外の数学者たちに大きな衝撃を与えます。
もう二度と手に入らないかもしれない…そう感じた研究者たちはすぐさま行動に移しました。
10年先、15年先までに必要なチョークの本数を計算し、数百本単位で買いだめする動きが続出、スタンフォード大学の数学教授が「チョーク・アポカリプス(チョークの終末)」と語ったエピソードは有名ですが、これは決して大げさな比喩ではありません。
2019年には海外メディア Great Big Story が「なぜ世界最高の数学者たちはチョークを買いだめしているのか」という動画を公開し、この現象は広く知られるようになりました。
https://mataiku.com/articles/entry-hagoromo-chalk-20251224/
完全再現が難しい理由
羽衣文具の廃業後、2015年にHAGOROMOブランドと製造設備は韓国企業へ譲渡され、現在も韓国でHAGOROMOチョークは生産・販売されています。
しかし、長年使い続けてきた研究者の中には、日本製オリジナルとは微妙に違うと感じる声も少なくありません。
完全再現が難しい理由は、チョークの品質が配合レシピだけで決まるものではないからです。
羽衣チョークは「数値化できない技術」の集合体だったのです。
日本国内でも複数のメーカーが再現を試みましたが、コストや効率を優先すると、どうしても同じ品質にはならなかったと言われています。
まとめ
ハゴロモ・フルタッチ・チョークは、思考を支える道具として世界の研究者に愛されていました。
一方で、優れた技術であっても事業承継ができなければ簡単に失われてしまうという現実も示しています。
羽衣チョークの伝説は、日本のものづくりの価値と課題を同時に映し出す、象徴的なエピソードだと言えるでしょう。
引用元: ・世界の数学者が愛した伝説の日本製チョークはなぜ消滅したのか…天才が一生分買いだめした神品質の末路とは [朝一から閉店までφ★]
もはやあの貝の調合はだれにもできない、韓国人がほしかったのはブランドだけで
1度の温度差まで管理する長時間の調合はそもそも論外だった
今後日本独自技術どんどん死んでいくよ
まあなんだかんだなくなっても他の企業が対応して終わることがほとんだろうけどね
それこそこの前のオリエント工房みたいに
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