「SNSで大量の万博バスが阪神高速泉大津PA近くの駐車場に止められていることを知りました。すぐに現場に出向いてみたところ、広大なスペースに所狭しと、あのおなじみ万博バスがぎゅうぎゅうにとめられていたのです。夢中で写真を撮りました」
そう話すのは、大阪メトロのファンサイト『Osaka-Subway.com』を管理する運営者の男性だ。大阪府泉大津市内にある巨大なスペースに突如出現した万博カラーのEVバス。12月中旬には50台近くが止められていたが、これらは不具合多発で問題になっている『EVモーターズ・ジャパン(以下、EVMJ)』が中国より輸入・販売した『WISDOM大型(全長10.5m)』である。10月に閉幕した『大阪・関西万博』では、主に桜島シャトルバスと舞洲パークアンドライドバスなどに使用された。
なお、EVMJのバスにおけるトラブルについては、10月13日に『【独自】証拠動画を入手…大阪万博で大量購入された中国製バスで続出する「操縦不能トラブル」の実態』と題した記事を寄稿し、追及している。トラブルの実態についてはこちらの記事を参考にしていただきたい。
そんな問題続出のEVバスが、なぜ大量に集められているのか--。まず前提として、集められていた箇所は『阪九フェリー』の発着港(泉大津~新門司)から目と鼻の先にある。つまり、EVバスをEVMJの本社である北九州に送るために一時的に保管しているのか……と思いきや、実はそうではない。移送だけが目的であれば、EVMJの南港サービスステーションに近い大阪南港を発着する『名門大洋フェリー』を使うほうが合理的だ。
そこには、EVMJが抱える新たなトラブルがあるという。EVMJの関係者が明かす。
「実は名門大洋フェリーから取引を避けられているんです。当然、泉大津よりも大阪南港のほうが圧倒的に近いし便利です。実際、かつては名門大洋を使っていました。ですが、今年3月にEVMJのバスを北九州本社からフェリー乗り場の新門司まで運ぶ間に不具合が発生し、フェリーの出航を2時間も遅らせたことがありました。現場担当者の独断で出航を待ってもらったと私は聞いています。フェリー利用のドタキャンも何回かあったそうで、結果として利用できなくなったそうです」
つまり、別のフェリー会社と交渉するなかで、不具合のあったEVバスを阪九フェリーの乗り場である泉大津港近くに集結させたところ、まるで「墓場」のようなものが出来てしまったというわけだ。
関係者の話によると、この駐車場の保管料は1ヵ月で約200万円と推定される。11月~12月までの2ヵ月分を契約しているといい、料金は400万円ほどになるとみられる。この料金について、EVMJの幹部は驚きの発言をしているという。前出の関係者が続ける。
「本社へ移送する理由は、不具合のあったEVバスの回収のためです。それなのに、上層部の一部は『管理元である大阪メトロが置き場所に困っていたので、ウチが置き場所を探した。賃料に関してはひとまず立て替えるが400万円の駐車料金は大阪メトロに請求すべき』と主張しているといいます。バスの不具合は弊社の落ち度。そもそも欠陥がなければ北九州に送り返す必要もない。何を考えているのか……」
引用元: ・【万博】ついに大阪に「EVバスの墓場」が出現…不具合多発でリコールも出た『万博EVバス』の行方
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