「部屋の中にいると、息が詰まって頭がおかしくなりそう」。金沢市内にある2Kのアパートに、夫の峻(たかし)さん(83)と暮らす谷内(やち)幸子さん(77)は、そうつぶやく。アパートは自治体が賃貸住宅を借り上げ、被災者に提供する「みなし仮設」住宅だ。
昨年元日に起きた能登半島地震で、石川県輪島市の自宅は倒壊を免れたものの、道路が寸断され集落は孤立。地震前は市中心部まで、車で15分ほどで行けたが、山越えの林道で1時間近くかかるようになり、2カ月半後にアパートに移った。
自宅は日本海を望む場所に立ち、2階建てで5LDKの広さ。近くには畑と果樹園があって、秋にはカキやキウイが鈴なりになる。手入れが日々の楽しみだったが、それらを地震が奪った。
峻さんは集落が孤立した10日間、寒さをしのぐため長時間を寝室で過ごし、筋力が低下。アパート入居前に2次避難で滞在した旅館で、要支援の認定を受け、いまは週1回デイケアに通う。
2人とも入居から1年間は、買い物や病院へ行くほか、ほとんどの時間を部屋でテレビを見て過ごした。幸子さんは「いま思えば、あのころ自分は変になっていた」と振り返る。
原則2年の仮設住宅の入居期間は1年延長が認められたものの、道路が復旧しない限り自宅での生活は難しく、住まいを今後どうするか、まだ決められていない。
「家に戻れるころまで生きておられるんかね」と幸子さんが話しかけると、峻さんは「帰りたい」と涙を流す。
県によると、12月1日時点で、能登半島地震とその後の豪雨で、建設型の仮設住宅に入居している被災者は、能登の10市町に計6614世帯1万3335人いる。
みなし仮設に入居しているのは、主に県南の市町のほか、福井、富山、新潟の3県に計2347世帯4994人で、うち金沢市には、最も多い2370人がいる。このほか、県内と16都道府県の公営住宅には496世帯938人が暮らす。
建設型仮設は、現地で同じ地域の被災者が集まって住むのに対し、みなし仮設は、多くが能登を離れ、マンションやアパートに分散している。そのため、これまでの災害では、建設型仮設に支援が偏る「支援格差」が問題となってきた。
精神的孤立と情報格差に悩む被災者
孤立しがちなみなし仮設の被…(以下有料版で,残り2156文字)
朝日新聞 2025年12月14日 15時00分
https://www.asahi.com/articles/ASTDC7WSDTDCOXIE071M.html?iref=comtop_7_05
引用元: ・能登離れ、みなし仮設住宅に5千人 自立をはばむ「先見通せぬ不安」 [蚤の市★]
それは受け止めつつ暮らす以外にない
自立といってもなぁ そういう高齢者被災者沢山いるだろうな能登だし
そのまま養老院建てて収容するほうが現実的そう
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