杉本 穂高 2025年12月10日 12:56
フランスで婚姻関係にある日仏の法律上同性カップルが、日本でも婚姻を認めるよう求め、兵庫県尼崎市長を相手に家事審判を申し立てている。
12月9日、申立人である同市出身の渡邉・プロスペル・礼さん(以下、礼さん)と、パートナーのプロスペル・コガリさん(以下、コガリさん)、および弁護団が都内で記者会見を開いた。
会見では提訴の背景に加え、「婚姻届が受理されなかったこと」を理由として国に損害賠償を求めるのではなく、戸籍法に定められた手続きを利用して行政に直接「受理」を迫るという、従来の同性婚訴訟とは異なる法的戦略について語った。(ライター・杉本穂高)
「フランスでは家族、日本では他人」の矛盾
申立人の礼さんは「クエスチョニング・パンセクシャル」、コガリさんは「ノンバイナリー」という性自認・性的指向を持つ法律上同性カップルだ。
2018年にフランスで結婚し、現在は同国で生活しているが、日本への一時帰国や将来的な居住の選択を考えた際、日本国内における法的保障の欠如がリスクとなっている。
会見で礼さんは、会見前日の8日23時26分、青森県東方沖を震源とする地震が発生した際にも恐怖を感じたことを吐露した。
「もし避難が必要になった時、コガリと一緒に避難できるのか。外国人であるパートナーの手続きを、日本の法律上は他人である私が代行できるのか」
法的に夫婦と認められない状態では、災害時や緊急医療などの場面で家族として扱われない可能性が高く、そのことに対する不安が拭えないという。
また礼さんは、フランスと日本で親子関係に不整合が生じることも懸念している。フランスでは、同性同士のカップルでも2人が親として認められる一方、日本では実親のみが親権者となり、もう一方は法的に無関係な存在となる。
「片方の国では他人、もう片方の国では家族――そんな矛盾した状態のままではいけない」
さらに、フランスでは同性婚カップルの片方の出身国が同性婚を認めていなければ、里親になれない仕組みだという。
「将来、子どもを授かった時、どちらの国でも『私たちは家族だ』と堂々と言えるようになりたい」と礼さんは涙ながらに訴えた。
コガリさんは、フランスで2013年に同性婚が成立して以降の社会の変化について「成立前は、社会を分断するような議論があったが、成立後も多くの人の生活には特段の変化もなかった。今では当たり前のものとして受け止められている」と言及。
「フランスの法律は我々を正当に認め、他の人と同じように生きる道を示してくれた。平等は誰の不利益にもならず、当事者の人生を深く変えることが証明されている」と述べ、日本でも愛が法的に守られる社会の実現を強く望んだ。
違憲判決だけでは当事者は直ちに救済されない
今回の申し立ての特徴は、現在全国で進行中の「結婚の自由をすべての人に」訴訟(以下、同性婚訴訟)とは異なる法的アプローチをとっている点にある。
従来の同性婚訴訟は「国会が同性婚を認める法律を作らないこと(立法不作為)」の違憲性などを問うているが、仮に勝訴しても国会が動かなければ結婚の自由は実現しない。
原告代理人の伊藤健弁護士は、最高裁で違憲認定されても、長らく立法府が法改正を行わなかった事例として、「尊属殺重罰規定」を挙げる。
この規定は1973年に違憲認定されたものの、実際に条文が削除されたのは、判決から22年後の1995年だった。
「司法が違憲と宣言しても、立法府が速やかに動く保証はない」(伊藤弁護士)
そこで本件の弁護団は別の戦略をとった。それが、戸籍法122条に基づく不服申し立てをした場合に行われる「家事審判」だ。
「民法には同性婚を明確に禁止する規定はない」という解釈を前提に、憲法が保障する「婚姻の自由」(13条、24条1項)および「法の下の平等」(14条1項、24条2項)に照らせば、現行法でも同性同士の婚姻届は受理されるべきだと主張する。
伊藤弁護士は、民法は憲法の下位規範であり、憲法が同性婚の権利を保障しているなら、民法はそれに適合していなければならないと説明。
(略)
※全文はソースで。↓
https://www.ben54.jp/news/2972
引用元: ・フランスで同性婚のカップル、婚姻届の“受理”求め家事審判申し立て 「立法待たず救済を」訴える 「将来、子どもを授かった時…」 [少考さん★]
養子だろ
ここはフランスじゃないだけ
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