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2025年12月7日 12時00分
寺社建築を模した「屋形」が施された宮型霊柩(れいきゅう)車。昭和の時代、有名人の死去を伝えるニュース映像では、多くの会葬者に見送られて火葬場に向け出発する宮型霊柩車がよく映し出されていたが、令和の今は姿を消しつつある。
10月下旬、東京都新宿区四谷にある霊柩車大手、東礼自動車を記者が訪ねた。広大な駐車場の奥にある車庫を見せてもらうと、フォードのリンカーン、トヨタのクラウンといった高級車のボディーの上に、豪華な彫金が施された白木や漆塗装の屋形がついた宮型霊柩車がずらりと並んでいた。
棺(ひつぎ)を入れる後部の扉は、黄金に輝く菊の紋入り。開くと中には畳が敷かれ、棺を固定するレールがあった。壁や天井には朱に金箔(きんぱく)が張り巡らされた花鳥など装飾が施されている豪華さだ。
「うちは20台の宮型霊柩車を保有しているが、最近は一台あたり月に数回程度の稼働」と東礼自動車の担当役員は語る。
宮型霊柩車1台の製作費は、かつて1200万円前後。今つくると倍以上はするという。職人が不足している上に利用台数も激減した。この20年間、新規にはつくらず、修復を重ねた屋形を載せ替えながら使っているという。
■いなくなった宮型霊柩車職人
倉庫には、屋形がない「洋型」と呼ばれる霊柩車も並んでいた。担当役員によると、今は洋型が主流で稼働しているが、宮型が倉庫から出ることはほとんどないという。
「うちの看板なので利用がなくてもメンテナンスをしてきたが、もう厳しい。保有数を減らすことを検討している」(担当役員)
全国霊柩自動車協会(東京)によると、2003年には全国で2千台以上の宮型霊柩車が走っていた。その後、年々減少し、昨年は220台だった。
なぜ、消滅しつつあるのだろうか。
※以下有料記事
引用元: ・消える宮型霊柩車 小規模化で供花の使い回しも 変わる令和のお葬式 [七波羅探題★]
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