【パリ=三井美奈】ロシアの脅威に対抗し、国防増強を急ぐフランスで、ファビアン・マンドン統合参謀総長が国民に「子どもを失う覚悟」が必要だと演説で訴え、波紋を広げている。野党から「戦争をあおるのか」という批判が飛び出す中、マクロン仏大統領は発言の政治利用を牽制(けんせい)し、参謀総長を擁護した。
参謀総長の演説は18日、全国市長会で行われた。ロシアのウクライナ侵略、米国の欧州離れなど国を取り巻く不安に触れ、「子どもを失うことを受け入れ、防衛品生産を優先して経済的な苦境に耐える用意がなければ、われわれは危機に陥る」と発言。各自治体で現状について話し合うよう求めた。ロシアが北大西洋条約機構(NATO)域内を攻撃すれば仏軍は出動が必要になるとして、「3~4年以内」に体制を整えねばならないと説明した。
国軍トップが人命喪失の可能性に触れた衝撃は大きく、共産党のファビアン・ルセル書記長はSNSで「血が凍るような発言だ。子供たちを外国で死なせたりしない」と反発。急進左派は「平和外交に失敗したツケを国民に回すな」と主張した。極右「国民連合」からも、文民統制からの逸脱だという批判が出た。
これに対し、マクロン氏は「発言を曲解する人たちがいる」と記者団に述べ、参謀総長を信頼していると強調した。25日には民放ラジオに出演し、国軍の要員増強策について近く発表する意向だと明かした。
引用元: ・【仏】国を守るため「子供失う覚悟を」参謀長発言が波紋「平和外交に失敗したツケを国民に回すな」と左派 [1ゲットロボ★]