大きな懸念の1つは、今年のインフルエンザワクチンの基となったH3N2株と「K亜系統」のミスマッチだ。H3N2株は南半球で流行した夏の間に、7カ所の新たな変異を獲得したようである。
これは知り合いがしばらく会わない間に整形手術を受けて顔の見分けがつかなくなってしまったようなもので、ウイルスの構造が変化した「K亜系統」に対し、従来のH3N2株を基に製造されたワクチンが効きにくい可能性を専門家は指摘する。
今季のインフルエンザワクチンはH3N2株の「J系統」とその派生の「J.2系統」を基にしている。このインフルエンザワクチンを接種すれば、免疫系はJ系統のウイルス株に対してより効果的に反応するようになる。
しかし、現在の流行株は「K亜系統」に置き換わりつつあるため、ワクチンによる免疫防御が十全な効力を発揮しないかもしれないのだ。
ただ、ワクチンとウイルスにミスマッチがあっても、今季のインフルエンザワクチンがこの冬から来春にかけての流行においてまったく感染予防効果を発揮しないわけではない。
英イングランドの公衆衛生行政を統括する英国健康安全保障庁(UKHSA)のデータによると、ワクチンは依然として有効性を示している。
一方で、ミスマッチが大きいほどワクチンの効果は低下する。ワクチンに含まれるウイルス株と流行株がうまくマッチするシーズンには、ワクチンの有効性は約60%に達する。だが、ミスマッチが顕著なシーズンの有効性は30%まで低下することがある。
通常、世界保健機関(WHO)は毎年2月に北半球向けインフルエンザワクチンの株選定プロセスを調整する。このリードタイムが必要な理由は、株の特定 から鶏卵でのウイルス培養、各種試験を経てワクチン製造・供給に至る全工程に5~6カ月を要するためだ。
したがって、ワクチンに含まれる成分は2月以降に発生した流行株の変異や変化に対して万全には対応できない。
前述した通り、北半球ではすでに各地でインフルエンザ患者が急増している。日本の報道によれば、同国内の患者数は前年同期比で6倍に増え、休校や学級閉鎖などの措置をとる学校や幼稚園が相次いでいる。
英国の公衆衛生・医療を担う国民保健サービス(NHS)の最高責任者サー・ジム・マッキーは、英医療系シンクタンクのキングス・ファンドの年次総会で「NHSは、厳しい冬を迎えようとしている。インフルエンザ患者数は昨年同期の3倍増となっており、患者が受けるべき医療水準を満たすのはいっそう困難になるだろう」と述べた。インフルエンザ患者がさらに増加すれば診療所や救急治療室、病院がひっ迫し、他の疾患の治療の妨げとなりかねない。
「K亜系統」への対策は?
感染から自分を守るためにできる対策はある。まず、インフルエンザワクチンを毎年接種することだ。先にも指摘したとおり、「K亜系統」に対する有効性は従来株ほど高くないかもしれないが、一定の予防効果はある。何もせず丸腰でウイルスに直面するよりは明らかにましだ。
それから、手指をしっかり洗うことも感染予防対策になる。外出から帰ったら、手に石鹸をつけて少なくとも20秒間は泡立て、水でよく洗い流そう。
また、インフルエンザウイルスは新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ほど空気中を浮遊しないものの、マスク着用と部屋の換気はやはり効果的だ。何より、新型コロナ感染症(COVID-19)が今冬に流行しないとは誰も言っていない。2020年以降、毎年11月から感染者が急増しており、2025年も例外ではないだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9b54c551e07c4f14918baf4b652ef217dc32045
引用元: ・【米フォーブス誌】H3N2株を基に製造されたインフルエンザワクチンとウイルス(K亜系統)にミスマッチ、ワクチンが効きにくい可能性・・・インフルエンザ大流行、英国の患者数は昨年同期の3倍、日本は6倍
なんかデジャヴかな、よく見た文言
