■世界は台湾を見捨てて中国をとった
ー中略ー
次に日本の立場だが、中国と国交正常化をした1972年の日中共同声明第3項には、
「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。
日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」
と書いてある。
第1文は単純に中国の立場を書いたものだ。
第2文の前半は、1文で書いた中国の立場を「理解し尊重」はするが、これを完全に認めたとは書いていない。あくまで「尊重する」
までだ。
第2文の後半、ポツダム宣言の話は、日本が、植民地支配していた台湾を、中国すなわち中華人民共和国に返還することを認めるという
内容だ。これにより、日本は台湾について一切の権益を失い、台湾は中国に帰属することを認めたということがよりはっきりする。
つまり、第1文の中国の立場をより強める内容である。「尊重する」だけでは弱いので中国側を説得するために付け加えられたと解説
されている。
■台湾が中国の領土の一部であることを「理解し尊重する」
以上を総合すると、日中間で合意した共同声明は、台湾が中国の領土の一部であるとする中国側の主張を日本側は無条件ではない
ものの、事実上認めたと外形的に見えると言って良いだろう。
ちなみに、米国は、上海コミュニケ(1972年)において、「米国は、台湾海峡の両岸のすべての中国人が、中国は一つであり、
台湾は中国の一部であると主張していることを認知している(acknowledge)。米国政府はその立場に異議を唱えない」と表明した。
acknowledgeに比べて、日本の「尊重する」という表現は一歩前に出ている印象を与える。
台湾が中国の領土であることを日本が完全に「認めた」ということになると、台湾に対する中国の武力行使は国際法上内戦の一環
(正統政府による反乱政権に対する制圧行動)として正当化され、それに対して他国が干渉することは、中国の国内問題への違法な
干渉であり、認められないということになる。
しかし、日本政府などは、日本は単に「理解し尊重する」と言っただけで認めるとは言っていないので、この主張は正しくないと
主張する。
その際、必ず引き合いに出されるのが、大平正芳外務大臣(当時)の1972年衆院予算委員会における「中華人民共和国政府と台湾との
間の対立の問題は、『基本的には』中国の国内問題であると考えます」という答弁だ。これも長くなるので日本政府の解釈だけを伝える
と、「基本的には」と述べているとおり、将来中国が武力により台湾を統一しようとした場合は例外であり、わが国の対応については、
立場を留保せざるを得ないということだと解説される。
しかし、この解釈は、中国に対しては有効ではない。それを認めたら、台湾が完全に中国の領土であるとは言えなくなるからだ。
以上を日本側にある程度理解を示しつつまとめると、日本が植民地支配していた台湾を中国に返還すべきだという当時の約束に日本は
同意した。日本は、台湾が中国の領土の一部であることについても理解し尊重すると約束した。
日本は、台湾が平和的に中国に統合されることも認めると言ってきた。
ただし、中国が武力を行使して台湾を統一する場合についてまで、これを認めるとは言ったことはない。
しかし、これに介入することを正当化する根拠はどうやっても見つからないということになるのではないだろうか。
高市発言は、これまでの日本側の立場から大きく逸脱していることは否定できない。
特に、台湾有事を具体的に想定し、戦艦などが出てきた場合は、「どう考えても存立危機事態になり得るケースだ」と明言したことは
大変な失言だ。
ー後略ー
全文はソースから
AERA 11/18(火) 6:30配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e735dcdd41eab8843f60389907c38fb7bd322a7
引用元: ・【古賀茂明】起きないはずの「台湾有事」を自ら起こそうとする高市首相「どう考えても存立危機事態」は中国に宣戦布告…[11/18] [仮面ウニダー★]
平和を壊そうとしてるのは誰ですか? すごく単純な話
なすりつけてくんな