複数の関係者によると、県は主に養殖期間が3年のカキについて生産者から聞き取った。坂町の一部漁場では 「全滅に近い」という。
広島市では「9月に1割だったへい死が10月に5割に増加」、福山市では「9月下旬からへい死が増えて、10月中旬からさらに増えた」との声が寄せられた。東広島市では「来年出荷予定のカキも多くがへい死している」との情報もあった。
現時点で県の調査の取りまとめによると、大量死は9月下旬から10月上旬にかけて発生したもよう。通常の二倍体、産卵せず夏でも身がやせない三倍体などの種苗に関係なく起きているという。出荷が一部業者にとどまり、詳細が分かっていない地区もある。
また、県の水産海洋技術センターが推定した大量死の原因も明らかになった。県内の9月の海水温が平年より表層で平均2・4度高く推移。このため県中部と東部海域の多くの地点が高水温と高塩分の環境となり、カキが産卵後にへい死する水準になっていたという。県は引き続き詳細な原因分析を進め、効果的な対策を検討する方針でいる。
瀬戸内海沿岸の近隣県でも被害が出ている。産地の播磨灘に面する兵庫県は「広島と同じ状況」と危機感を募らせ、岡山県も例年より水揚げ開始を遅らせて対応している。広島を含む3県で全国の生産量の8割を占めており、今後の影響が懸念される。
兵庫県水産漁港課によると、県内の漁協からの聞き取りでは例年2~5割のへい死だったのが、今年は多い所で8割が死んでいたという。カキを成長させるために出荷を遅らせており、同課は「広島と同じような状況だ。原因や被害額などは調査中」とする。
瀬戸内海東部に位置する兵庫県沖の播磨灘は、養殖カキの産地として知られる。12日から水揚げを始めた室津漁協(たつの市)は「広島と同じ状況だ。少し揚げたが7~8割が死んでいる。多過ぎる」と現状を憂う。
岡山県は水揚げが本格化しておらず、具体的な被害は確認できていないという。同県水産課は「水温が高く、死んだカキが多いようなので、例年より生産開始時期が遅くなっている」と説明する。主要産地にある日生町漁協(備前市)では10月下旬に県が事前検査を実施。4~5割のへい死を確認し、同漁協は「例年は2~3割。今年は大きいカキばかり死んでいた。水揚げを始めないと分からないが、楽観視はできない」と懸念する。
広島県が農林水産省の2023年の統計調査を基に推計したデータによると、都道府県別の養殖カキの生産量(むき身)は、広島県が年間1万6129トンでトップ。岡山県2568トン、兵庫県2102トンと続き、3県で全国の生産量の81%を占めている。
[中國新聞社デジタル]
2025/11/17(月) 10:10
https://news.yahoo.co.jp/articles/a54d9d88ff78722de4813e08873b30a3738c1dc2
引用元: ・カキ大量死、瀬戸内海沿岸に被害広がる 全国生産の8割占めるエリア [煮卵★]
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