チャン・ドゥック・ルオン被告は、不法残留2年半の間、埼玉や栃木など広範囲で車や現金の窃盗を繰り返した。犯罪は組織的に行われ、被告は指示役と連絡を取りながら実行役を担っていたとされる。
検察側は被告が果たした役割は大きく、「刑事責任は重大」と断じ、懲役8年を求刑した。中古車販売店など8か所の事務所に侵入し、52台の車や現金467万円の窃盗に関与。報酬として2500万円を受け取っていた。39台は被害者のもとに戻ったものの、被害者が自力で探し出すなどしており、「被告人が進んで還付したものではない」と指摘。「被害店舗は厳重な処罰を望んでいる」と胸中を代弁した。
弁護側は公訴事実を認め、「指示役からの指示を受けて行動したもの。主導的立場にあったとは言えない」と述べた。また、前科・前歴がないことから「更生の可能性がある」とし、寛大な判決を求めた。犯行グループの実態を供述し、メンバーの逮捕や車両の発見に協力したことも付け加えた。
傍聴席には被害者の1人で、ホンダカーズ野崎(栃木・大田原市)の松本正美店長の姿があった。
昨年8月に11台の盗難被害に遭った。防犯カメラの映像等によると、少なくとも7人のベトナム人が店舗に侵入。事務所の金庫を破壊して車のキーを奪うと、駐車場にあった車を次々と盗み出した。
SNSの拡散や協力により、すべての車両を発見して取り戻したが、犯行はどのように行われたのか、少しでも背景や動機を知るために裁判所に足を運んだ。
ところが、目の前で語られた被告の言葉は耳を疑うものだった。
裁判官から「最後に言っておきたいことはありますか?」と問われた被告は、証言台の前で静かに口を開いた。
まずは謝罪から始まり、1億円を超える被害金額について「とても大きいです。僕が一生かけて働いてももらえないと思います」と受け止めた。
そして、技能実習生として適法に入国したものの、勤務先で暴力を振るわれ、我慢できなくなって逃げ出した経緯を告白。「逃げてからも最初は普通の仕事を一生懸命してきました」と語った。犯罪に手を染めたのは、在留資格更新の審査が厳格化されたほか、母国で父が亡くなり、生活が困窮したことが理由とし、「借金を返し終わった後、窃盗をやめることを決めました」と、逮捕される直前に足を洗っていたと訴えた。
一方で、量刑については、納得のいかない様子でこう語気を強めた。
■あきれた主張…勾留は「食べて寝ての意味のない時間」
「捜査の際に警察は本当のことを言えば、罪が軽くなると言われました。ただ、今日の求刑を聞いて8年という量刑は受け入れられません。5年あるいは6年間なら僕は頑張れますが、8年はとても受け入れられません。今回逮捕されてから今まで1年2か月以上、勾留されてきました。食べて寝ての意味のない時間を過ごしてきました。僕は頑張れない。8年……どうかこの8年間を見直してほしい」
もちろん、被告以上に苦しい思いを強いられているのは被害者だ。一方的に車を盗まれ、一切の謝罪や弁償もされずに人生を狂わされた者も大勢いる。松本さんも金庫に保管していた数百万円の現金は戻ってきていない。
さらに、被告は、判決が12月17日に言い渡されることに、「どうして判決まで1か月半かかるか教えてほしい」と不満をあらわに。勾留が少しでも我慢できないようで、いら立ちをのぞかせた。
身勝手な言い分に、松本さんは「8年が到底受け入れられないって何言ってんだ。どれだけ人が苦しんでいるのか分かってるのか。2500万円って報酬も相当な金額。返済してから文句言え」と怒り。窃盗犯が“やったもん勝ち”になっている現状を批判し、「一般の人が望むような判決を出してほしい。なんだそんなもんか、と思われたらいけない」と厳罰を求めていた。
11/7(金) 13:58 ENCOUNT
https://news.yahoo.co.jp/articles/54c849c6f617102646761050a9f000f719441717
引用元: ・自動車盗難、ベトナム人被告の“耳を疑う言葉”…懲役8年求刑 裁判官に「どうして」不満 [11/9] [ばーど★]
死刑が妥当
死刑じゃないんだ?
やったもん勝ちやん