朝日新聞 編集委員・岡崎明子2025年11月1日 7時00分
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記者コラム「多事奏論」 編集委員・岡崎明子
娘は小さいころから小食で、そのせいか体も小さく、私はかなり深刻に悩んでいた。病院にも通ったし、関連する本も読みあさった。ふと時間があくと、スマホで関連ワードを検索する日々だった。
周囲の人にぽろりと漏らすと「気のせいだよ」「大きくなったら食べるはず」と励まされた。でも、そのたびに傷ついた。「気のせいのレベルじゃない」「どれほど悩んでいるか知らないくせに」と。相手が私のことを思って言ってくれていることがわかっても「気休めの言葉をかけないで欲しい」としか思えなかった。
このときの感情を久しぶりに思い出した。自閉スペクトラム症(ASD)と診断された女性の生きづらさを描いたデジタル版連載「『ふつう』になりたい ASD女性のカモフラージュ」(紙面は4日付朝刊から掲載)がきっかけだ。
ASDの特性として、雑談が難しい、空気を読むのが苦手、特定のものに執着しがちといった側面がある。ASDの女性は男性に比べ、こうした特性を隠すカモフラージュ行動を取りがちだ。
背景には「よい子」や「女性らしさ」といったジェンダー規範があるとされる。ただ本来の自分を常に抑えこむことは精神的な負担となり、うつ病や摂食障害といったメンタルの不調を来しやすい。
特に女子は思春期になるとグループ行動が増え、人間関係の難易度も上がる。「明るく元気」なキャラをかぶったり、周りから浮かないようにおとなしく目立たない子になったり。「ふつう」に見せるために、偽りの自分を装う。
そんな涙ぐましい努力を重ねているのに、「『ふつう』に見えるから大丈夫」と言われるたびに、悔しい気持ちになる――と異口同音に言われた。
「ふつう」に見せたいと頑張っているのに、なぜ「ふつう」と言われたくないのだろう? 最初はその葛藤の背後にある思いがくみ取れなかった。
(※以上、無料部分から引用。)
関連
「ふつう」になれない発達障害の私 イケてる友達、完コピしたのに
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引用元: ・【多事奏論】「ふつう」という言葉 相手を傷つける無意識の刃 記者コラム [湛然★]
この記事は「ふつう」という言葉が、実は人を傷つける刃になりうるというコラムです。
筆者は、娘の小食の悩みを安易な慰めで流され、深く傷ついた経験を語ります。
特にASD(自閉スペクトラム症)などの特性を持つ人が、無理に「ふつう」を演じている時に、その言葉は重い負担になると指摘しています。
🔍【補足・背景】
ASDの女性は「よい子」や「女性らしさ」といった社会の基準に合わせるため、苦手な特性を隠す「カモフラージュ行動」をとりがちです。
これは本来の自分を抑え込む行為なので、精神的な負担が大きく、うつ病などメンタルの不調につながることがあります。
頑張って「ふつう」に見せているのに、「ふつうに見えるから大丈夫」と言われると、努力が無視されたようで悔しくなってしまうとのことです。
💡【豆知識】
ASDの特性を隠す努力は、グループ行動が増える思春期の女子にとって、特に難易度が高くなると言われています。
🌐【AI視点】
悪気のない「ふつう」という言葉でも、相手が抱えている見えない苦労や努力を否定してしまう可能性があります。
状況や背景を想像せず安易に励ますことは、意図せず人を傷つけてしまう危険性がありそうです。
☕【一言コメント】
誰もが「ふつう」になりたいと悩みながらも、「ふつう」が何なのか誰も知らないのが、この世の「ふつう」なのかもしれない。
これ、アウトね
普通列車
普通科
普通選挙
曲解しすぎ