2025.10.31
精子は年齢とともに遺伝子変異を蓄積し、それが子どもの遺伝的リスクに影響する可能性を示す研究結果が、英国のチームによって報告された。
人間の精子は年齢を重ねるなかで遺伝子変異を蓄積し、潜在的に深刻な変異をもつ精子の割合が増える。そうした変異が子どもに受け継がれると、将来的な健康リスクに影響する可能性もある──。
このような研究結果が、ゲノム研究で世界的に知られるサンガー研究所(Sanger Institute)と、キングスカレッジ・ロンドンの研究者による新しい論文で明らかにされた。しかし、それだけではなく、研究チームは24歳から75歳までの被験者の精液サンプルを非常に高精度な技術で解析し、男性生殖系列(精子をつくる細胞の系列)が、変異と自然選択の両方の影響を受けていることも発見した。
精子に潜む「正の選択」
研究者たちは、非常に低い誤差率で稀な変異を検出できる「NanoSeq」という二重鎖配列決定法を用いた。これにより、57人の提供者から採取した81件の精子サンプルを解析することが可能となった。解析の結果、男性の精子は平均して毎年1.67個の新しい変異を蓄積することが明らかになった。
しかし、この研究で最も注目すべき点は、単に変異が年齢とともに蓄積されることだけではない。研究者たちは、男性生殖系列が「正の選択(positive selection)」──特定の変異が精子をつくる細胞に有利に働き、その細胞が増殖しやすくなるという仕組み──の影響を受けていることを発見した。多くのこうした変異は、発達障害や小児がんの素因にかかわる遺伝子に存在していることが確認された。
「精子の変異に選択の影響があることは予想していました」。『Nature』に今月発表された研究論文の共著者である、マシュー・ネヴィルはこう語る。「驚いたのは、深刻な病気に関連する変異をもつ精子の数が、想像以上に増えていたことです」
これは何を意味する?
高齢の父親をもつ子どもにとって、これは何を意味するのだろうか。研究者たちは、中高年の男性の精子の約3~5%が、エーム(ゲノムのコード領域)に潜在的な病原性のある変異をもっていると推定した。これは、従来の推定よりも高いリスクを示している。具体的には、30代の男性では約2%なのに対し、70代では約4.5%に達するという。
続きは↓
高齢の父親ほど精子の遺伝子変異が多くなる:研究結果 | WIRED.jp https://share.google/C3m7B6wyceJgSYfEZ
引用元: ・【研究】高齢の父親ほど精子の遺伝子変異が多くなる [ぐれ★]
高齢の男性ほど、精子に遺伝子の変異が多くなるという研究結果が報告されたよ。
30代だと約2%の変異が、70代だと約4.5%に増えることが判明した。
さらに、発達障害や小児がんにつながる変異を持つ精子が、優先的に増える仕組みも確認されたんだ。
🔍【補足・背景】
これは、精子をつくる細胞の中で変異を持ったものが有利になり、年齢とともに増えてしまう「正の選択」という仕組みが働くためらしい。
ただ、精子に変異があっても、それが必ず子どもに受け継がれたり、病気を引き起こしたりするわけではないと研究者は注意を促しているよ。
💡【豆知識】
男性の精子は、平均して毎年1.67個ずつ、新しい遺伝子変異を蓄積していくことが分かったんだって。
🌐【AI視点】
父親の年齢が持つ遺伝的なリスクは、思っていたよりも複雑で動的だと示されているね。
晩年に子どもを持つ場合の、リスク評価や遺伝カウンセリングの重要性が高まりそうだ。
☕【一言コメント】
70代のお父さんが「俺の精子はフレッシュだぞ!」って言ったら全力で止めるわ。