「政府を挙げて対策に取り組んでいく緊急性を感じている」。石原宏高環境相は28日の閣議後記者会見でこう述べ、関係省庁による連絡会議を30日に開くことを明らかにした。
環境省によると、今年4~9月の死傷者数(速報値)はヒグマで4人、ツキノワグマで104人と、23年度に並ぶペースという。
9月から、市街地に出没したクマに自治体の判断で発砲できる「緊急銃猟制度」がスタート。環境省によると、これまで宮城県や北海道などで緊急銃猟によるクマ駆除が7件あったが、出没の多発に追いついていない。
自治体が緊急銃猟を判断したのに駆除に至らなかったケースもあり、関係者間の連携や駆除の技能向上も課題となっている。
省庁連絡会議では、政府が昨年度とりまとめたクマ被害対策パッケージの年内改定に向けて議論するという。
対策パッケージは、自治体によるクマ対策専門人材や捕獲技術者の育成・確保などを支援する内容だが、狩猟免許所持者約21万人(21年度)のうち、緊急銃猟に必要な第1種銃猟免許の所持者は約8万人にとどまり、長年のハンター不足は解決されていない。
石原氏は、緊急銃猟の事例やノウハウを自治体と共有する▽自治体が雇用する「ガバメントハンター」などを確保する▽科学技術を活用して個体数を適切に管理する――ことなどを柱にクマ対策を強化するよう省内に指示した。
一方、警察も各地域で住民に対する安全確保の呼びかけや避難誘導、警戒活動などに当たっている。
生活圏での被害が相次ぐ中、警察庁は24日、住民の安全確保を最優先し人身被害を防止するよう都道府県警に通達した。【大野友嘉子】
構内や周辺でクマの目撃情報が相次ぐ秋田大は留学生にも英語で注意喚起している=秋田市で2025年10月28日午前、高橋宗男撮影

https://mainichi.jp/articles/20251028/k00/00m/040/235000c
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引用元: ・石原環境相「政府を挙げて」クマ対応 緊急銃猟制度に残る課題 連絡会議を30日に開催 [1ゲットロボ★]