主席が号令する「自立自強」の深層
先週の重要会議のコミュニケ(声明)は、向こう5年間の政策方針として、以下のようにうたっています。
「ハイテクノロジーの自立、そして強化を加速し、質の高い生産力を発展させる。ハイテク革命と産業構造転換の歴史的チャンスを捉える」
「自立自強」(他者の力を頼らず、自分自身の力で強くなる)という4文字は、ここ数年、中国の公式文書で頻繁に登場します。これは、「海外に頼らない」――とりわけ科学技術の分野で、この路線を加速させるという習近平主席の号令です。
これは、毛沢東時代に使われたスローガン「自力更生」(自分自身の力で困難から立ち直ること)と似ており、毛沢東のような存在になりたい習主席の執念を感じます。
コミュニケはまた、向こう5年間を「チャンスと共に、リスクが共存し、予測不可能な要素が増す時期」と位置づけ、「強力な国内市場をつくり、中国独自のサプライチェーンも構築しよう」とメッセージを送っています。これは、アメリカのトランプ政権によるハイテク産業への対中輸出規制や関税強化といった逆風に対し、国内で技術開発を急ぐという強い意志の表れです。
コミュニケでは直接言及されていませんが、こうしたメッセージは、現在の高い失業率と景気低迷という大きな課題を、習近平指導部が認識している裏返しでもあります。
中国は日本をはじめとする外国資本を呼び込みたいはずですが、習近平政権にとって、経済よりも「国家の安全」が優先されます。スパイ防止法の強化がその典型です。先週の重要会議でも、社会の安定を維持するため統制を強める路線を改めて明確にしました。
引用元: ・習近平主席「中国は自立自強を目指す。海外の力に頼るな!」 強すぎる… [271912485]