今年の中秋節の連休中、観光地には多くの人が訪れましたが、宿泊費を節約するためにテントを張ったり、車中泊を選んだりする旅行者が相次ぎました。
宿泊料金を大幅に値下げしても客足は戻らず、表面上はにぎわって見える観光ブームの裏で、中国の消費不振と経済の冷え込みが一段と鮮明になっています
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中国文化観光省の統計によると、今年10月の8日間にわたる大型連休の期間中、全国の旅行者数は延べ8.8億人に達し、前年同期比で1.6%増加しました。しかし、1人あたりの1日平均消費額はわずか約2300円(114元)で、前年より13%減少し、近年で最低水準となりました。
観光地には多くの人が訪れたものの、旅行者の多くは「節約旅行」でした。テントを持参し、車中泊をし、食事はインスタントラーメンで済ませるといった形です。雲南省や大理市、麗江市、張家界など人気観光地のホテルや飲食店の経営者たちは口をそろえて嘆きます。「人が多いからといって、儲かるわけではない」
各地の商業エリアでは、かつての祝日ムードがすっかり消えました。「今年の大型連休はおかしい。商業施設にも衣料品市場にも人がいない」とある卸売業者はショート動画の中で嘆いています。「気温が高く、秋物の在庫が積み上がり、客足はまばら。10月1日から4日まではほとんど売上がなかった」といいます。
同業者たちのチャットグループでも悲観的な声が広がっています。「仕入れる気力がまったく湧かない」
衣料品業界だけでなく、果物業界も深刻な不振に陥っています。
多くの地域で果樹農家が販売不振に苦しみ、値下げして在庫を処分せざるを得ません。
業界関係者はこう分析します。「消費のグレードダウンで高級果物が売れなくなり、小売価格は高止まりしているのに、卸売段階では在庫が山積みになっている」。このように消費の循環が途切れ、実体経済がさらに弱体化しています。
専門家は、消費が冷え込んでいる最大の原因は「不動産が国民の財布を空にした」ことだと指摘しています。
北京不動産サイト「北京房産網」と「安居客」のデータによると、2025年10月の大型連休期間中、上海の中古住宅の成約件数はわずか780件で、前年同期比63%減少し、全国30都市でも取引量が4割以上落ち込みました。
不動産市場は4年連続で低迷し、家庭資産の大幅な目減りを招いています。住宅ローンの重圧と住宅価格の下落が重なり、人々の消費余力は完全に奪われています。
雲南省昆明市に住む女性ブロガーは10月15日に投稿した動画で、「3年で人生の貯金の半分を失った!私の青春をどう取り戻せばいいの?家を買ったことが罪だったなんて!!十年以上かけて貯めたお金がすべて消えた。これが私の夢のマイホームとして、十数年の貯蓄とローンで買った家だ。でももうすぐ失うことになる。ローンの返済も滞りそうで、本当にどうすればいいかわからない」
あるネットユーザーはこう語ります。「私たちの世代は、何世代分ものお金を家に注ぎ込んだ。そのせいで、食べることも着ることも節約しなければならないのだ」
経済分析アカウント「火星宏観」はこう指摘します。「不動産が長年にわたって家計の資産バランスシートの中心を占めてきた結果、飲食、娯楽、衣料などの消費支出が圧迫され、消費崩壊を招いている。不動産の低迷は、建材、リフォーム、家電、家具といった関連産業にも波及しており、その連鎖的な影響は今も拡大を続けている」
観光からホテル、果物から衣料品、不動産から株式市場まで、中国のあらゆる産業が不況の波に飲み込まれています。
中国政府の統計によると、国民全体の債務総額はすでに約4000兆円(200万億元)を超え、国民1人あたりの平均負債額は約280万円(14万元)に達しています。
一方で、約5.6億人が「貯金ゼロ」、若者のほぼ半数が「給料をすぐ使い切る」とされています。
多くの人が金銭的に余裕を失い、住宅ローンに追われ、収入も伸び悩む中で、消費の拡大など望むべくもありません。
「お金がなければ消費は生まれない。消費がなければ経済回復は幻想だ」というネットユーザーの言葉が、今の中国経済の本質を突いています。
見せかけの繁栄という仮面は、いずれ崩れ落ちます。
本当の「経済の冬」は、もしかすると今、始まったばかりなのかもしれません。
https://www.visiontimesjp.com/?p=50668
https://www.youtube.com/watch?v=R5Qtc1-IHbo
引用元: ・【全産業が悲鳴】中国大不況
中華のように自己責任の国だと死人が出る
とんでもない迷惑だけど