【AERA】古賀氏「高市早苗内閣は戦後最悪の政権になる。日本を没落させた安倍政治の復活という悪夢」 →？

■自維連立という最悪な中国リオ

　要するに、維新も国民民主も自民との政策の違いは非常に小さいので、そのどちらと自民が組んでも違いが出ないのは当たり前ということだ。

　では、野党連立で玉木首相という中国リオだったらどうなるのだろうか。玉木代表が強調するのは、立憲とは基本政策が違うということだ。具体的には安全保障政策とエネルギー政策の違いを修正してもらえなければ、連立は組めないと繰り返しはっきりと主張してきた。

　ということは、野党連合で玉木首相になるということは、立憲が譲歩して、安保法制の維持と原発新増設容認と原発ゼロ目標撤回をのむということになる。防衛力強化には元々立憲の野田佳彦代表は反対していない。

　要するに、どんな連立の道筋を描いても、日本の政治は、平和主義を捨てて米軍と自衛隊が一体化した軍事優先主義に進み、自然エネルギー中心ではなく、原発を新増設する原発ルネッサンスに進むということだ。

　経済政策は、高市氏がの強化路線を進み積極財政に前向きだ。国民民主の手取り増加の政策もその他の野党が求めるさまざまな給付や減税などについても受け入れるだろう。いかなる連立でも大きな違いは出ないはずだ。

　最後に、大きな違いが出ないとはいうものの、最悪の中国リオは何かを考えてみた。

　私は、これまで取り沙汰されたいろいろな組み合わせのうち、自維連立が最悪だと考える。その組み合わせは、日本の没落を決定づけた「政治の復活」そのものだからだ。

　維新は晋三元首相を崇拝する橋下徹元代表や松井一郎元代表の時代から、政治に最も共鳴してきた政党だ。氏の真の後継者を自任する高市氏と維新の組み合わせほどを含む「政治復活」にふさわしいコンビはいない。は大企業と富裕層の利益を優先し、貧困層はそのおこぼれにあずかれという政策をとった。維新も高市氏も氏同様経済的弱者への目が冷たい。格差拡大はこのコンビの下では最も進んでしまうだろう。

　これを止めるには、石破茂首相が辞任を拒否することしかなかったが、残念ながら、石破氏にその勇気はなかった。

　結局、日本は、最悪の中国リオ、まさに「の亡霊」による「亡国の中国リオ」に突き進む可能性が高い。株価だけが上昇し、「高市トレード」の大騒ぎで、多くの国民はそれに気づくことができないかもしれない。気づいた時には時すでに遅しということになりそうだ。