第173回直木賞候補作に選ばれ、山里亮太さんやけんごさんらからも絶大な共感を寄せられた本作はいかにして誕生したのか。そして、情報や言葉が凶器になる現代社会でわれわれはどう生きていくべきなのだろうか――。
(略)
誰もが“マスゴミ”になるかもしれない
――作中では「情報を発信する前に『ブレーキ』を踏むべきだ」と書かれていますね。
塩田:昔の紙媒体の時代が「水溜まり」だとしたら、現代の情報社会は「滝つぼ」です。ひとたびSNSに何か書かれれば、もう這い上がれないくらい滅多打ちにされてしまう。だからこそ、情報を発信する一人ひとりの意識を変えなければいけません。
自分の信じたい情報だからといってすぐに拡散するのではなく、その前にまず「ソースはどこか」「過剰な表現はないか」「勝ち負けにこだわっていないか」と一旦立ち止まって考えてみる。すでに炎上していることについてなら、「さらに自分が便乗する必要はあるのか」と考える。あるいは「もし身内がこうなったら、果たして自分は拡散するだろうか」と想像してみる。
これを意識するだけでも、だいぶ違うのではないでしょうか。
――塩田さんご自身はSNSでの発信はされていませんね。
塩田:数年前まではFacebookとInstagramのアカウントを持って、ある程度投稿もしていたのですが、一言で言うと「しょうもない」んですね(笑)。何かを伝えようとすると、調べたり、より面白い文章にしようと考えたりして、もう仕事になってしまう。内容よりも投稿すること自体が目的になってしまっていたので、これはプラットフォームの思うツボだなと。私のリズムには合わなかったという感じです。
――SNSとの距離感が大事ですね。
塩田:『歪んだ波紋』を書いた時からずっと感じているのが、情報を公開することの重みです。よく「マスゴミ」と言いますが、個が集まればもう「マス」になっている。自分が発したことに賛同者が得られて大きくなれば、それはもうマスなんです。自分もマスゴミになる可能性がある、ということは認識しておきたいですね。
引用元: ・「SNSユーザーの誰しも“マスゴミ”になる可能性が……」社会派作家・塩田武士が直木賞候補作に込めた危機感 [ネギうどん★]
何度聞いたことか。
一社で大多数へ強制的に情報発信できるオールドメディアとSNSが同じわけないだろ
カネとらなきゃデマ流してもええのんか…?