MM総研が7月末に公表した調査結果によると、「GIGAスクール第2期」の端末更新で採用されたOSのうち、「ChromeOS」が約6割を占めた。従来は教育現場で「Windows」が優勢だったが、構図が変わりつつある。学校向けという限られた領域ではあるものの、今後のPC市場全体に影響を与える兆しを示している。
ChromeOSが支持を集める背景には、運用の容易さや管理コストの低さがある。クラウドを前提とした設計により、更新やセキュリティ対応を一元的に行うことができ、自治体や学校のIT担当者にとって負担が軽い。実際に「運用しやすさ」が選定理由として挙げられており、周辺自治体の導入状況が普及を後押しする傾向も確認されている。
教育分野でのシェア拡大は、やがてPC市場全体に波及する可能性がある。利用するソフトウェアもクラウドやウェブベースのものが中心となり、ローカルアプリに依存してきたWindowsの強みは限定的になる。さらに、ハードとOSを一体的に効率化できる構造が進めば、価格競争が激しさを増し、PC市場の構造そのものを変えていくことが考えられる。
日本においては教育分野が起点となる。小中学生が慣れ親しむOSは、その後の学習や社会に出てからの利用環境にも影響を与えるため、企業の業務端末や自治体システムとしてChromeOSが存在感を高める可能性がある。クラウド依存度の高さや既存業務ソフトとの互換性、セキュリティの確保といった課題は残るが、調査結果は、PC市場の構造変化が始まりつつあることを示している。
GIGAスクールを中心に、ChromeOSに関する記事を集めた。
引用元: ・日本のパソコン、6割が「ChromeOS」に、ギガスクールで慣れ親しんだ世代が就職し企業にも侵蝕 [422186189]