自民党を中心とする政治権力です。特に「文教族」と言われた議員たちは派が多い。森喜朗さん以来ずっと、自民党内でもタカ派と呼ばれている人たちが文教族で、タカ派の人ほど教育政策に関心を持つ。特に歴史教育と道徳教育にものすごく関心を持って口を出そうとする。その人たちがずっと権力を握ってきていて、私はその下で仕事をしていたものですから、心ならずもやらざるをえない仕事がありました。
そのくびきから解放されると本来の人間に戻れるわけで、私も今は普通の人間に戻っていると思うんですけど、組織の中にいる間は、まともな人間性を保つのがなかなか難しかった。特に第二次政権ができてから、バランスを保つために始めたのがツイッター(現・10)です。匿名でいろいろつぶやいていたんですが、自分の上司に当たる大臣や大臣政務官らを批判するようなことを書いていました。そうやって精神のバランスを保つことが必要だったんです。
前川 私もそこは本当に心配しています。参政党が大きく議席数を増やしてしまったのは本当に怖いです。維新が出てきたときに「ひどい党が出てきた」と思いましたが、「まだ維新のほうがマシだ」と思えるような党が現れるとは……。
以前維新に所属していた梅村みずほ という人が今度、参政党から立候補して当選してしまいました。その梅村議員は先日テレビの討論番組に出演した際、共産党の山添拓議員に、選挙期間中の梅村氏らの外国人をめぐる主張の誤りをファクトを挙げて指摘されると、「選挙で民意を得たのは私たちだ」と開き直るんです。
要するに、事実でないことを主張して民意を誘導したのに「有権者の票をたくさん得たのは自分たちだ」と。これは全然反論になっていません。要するに、「数は力であり、力は正義だ」という言い方ですよね。「選挙で勝ったんだから自分たちのほうが正しい」という言い方、これがまかり通るのは本当に怖いと思います。
前川 参政党のような政党が伸びた背景には、集団的な不安があると思います。
日本が経済大国だと言われていた頃は皆、あまりそんなところに飛びつこうとは思わなかった。でも世界の中での日本の経済的地位がどんどん後退していき、GDPで中国にもドイツにも抜かれ、まもなくインドやインドネシアにも抜かれる、と。1人当たりGDPでは韓国や台湾より少なくて、経済的に衰退しています。
そして、経済財政政策の失敗による不満や不安というものが日本に充満していて、トランプのアメリカじゃないですが、「メイク・ジャパン・グレート・アゲイン」みたいに「今は苦しいかもしれないけど、もともと日本は立派な国なんだ」と、ことさら強調する考えに惹かれてしまう。
今回、参政党で新しく当選した初鹿野裕樹(はじかの ひろき)参議院議員は、「南京大虐殺が本当にあったと信じている人がまだいるのかと思うと残念でならない」とXに投稿しています。
参政党は全体がそうなんですが、初鹿野議員は「日本軍は『焼くな、犯すな、殺すな』の三戒を遵守した世界一紳士な軍隊である」と投稿し、「日本は悪いことなどしなかったんだ」と主張しています。
こういうことを言う人たちは以前からいましたが、そういう人たちだけで作った政党が参政党です。私は、晋三さんが亡くなった反動で出てきたのかもしれないという気がします。
さんがいる間は、自民党の中で、さんという求心力の中にそういう人たちがくっついていたけれど、さんがいなくなったので、より過激な形で別の党として現れたのかな、と。
おそらく背景にはそういった「皇国史観」を広げたいと思っている勢力がいるんじゃないか、と。それをバックアップしたいと思っている経済人もいますから、そういう人たちが参政党の選挙運動にお金を出しているのか、と。
相当お金がないとあれだけのキャンペーンはできません。あれだけの数の候補者も立てているし、3年ぐらい前からあちこちにポスターを貼ったり、いろんなSNSでの発信をしたりしていましたし。あれは代表の神谷宗幣氏だけでできることじゃない。相当資金力がある組織があると見ています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/44064ae249d301160ff124ac9cc1b387065a0412?page=1
維新と比べるなんてw