2025.10.11
石破茂総理大臣の退任に伴い開かれた自民党総裁選で下馬評で優勢とされていた小泉進次郎氏を高市早苗氏が破った。その総裁選の中で話題となったのは小泉氏を巡るステマ騒動だ。父・小泉純一郎政権時代に大臣として総理を支えた経済学者の竹中平蔵氏は「ステマという指摘に完全に間違っている」と指摘する。一体なぜ、そう考えるのか。竹中氏が詳しく解説していくーー。
目次
1.「ステマ」指摘は完全に間違っている
2.文春砲の方が、よほステマの本質に近いのでは
3.「小泉氏は経験不足」という的外れの批判
4.総理になったときに「大化け」できるかどうか
5.「今回、小泉は待つべきだった」という批判もナンセンス
6.かつて「ニュースステーション」と闘った小泉政権
7.SNSは短期間で熱狂的な「バブル」を生み出す
8.なぜ小泉父は「自民党ぶっこわした」のか、9.小泉ジュニアは「自民党をまとめる」のか
「ステマ」指摘は完全に間違っている
今回の自民党総裁選は事前の下馬評を崩し、高市早苗氏が総裁として選出されました。総理となるであろう高市総裁は今後日本をどうかじ取りするのか。大変興味深いです。
さて、総裁選では様々な候補者が論戦を繰り広げた中、小泉進次郎さんの周辺がにわかに騒がしくなっていました。いわゆる「文春砲」が飛び出し、彼に対する様々な批判がメディアやSNSを賑わせています。しかし、私はそれらの批判の多くが、本質からずれた、あるいは意図的に歪められたものであると感じています。
まず、小泉陣営が陣営メンバーらに動画へのコメント投稿を依頼したという報道についてです。これを一部メディアは「ステルスマーケティング(ステマ)ではないか」と批判しました。私は、この指摘は完全に間違っていると考えています。
そもそも、ステルスマーケティングとは何でしょうか。これは、消費者に広告であると気づかれないように、あたかも第三者の客観的な意見であるかのように装って商品やサービスを宣伝する行為です。法律でも規制されているのは、一般大衆を欺く形で宣伝を行うからです。
しかし、今回報じられたケースは全く異なります。報道によれば、小泉陣営が陣営の内部にいる人たち、つまりもともと彼を応援している人たちに対して、「みんなで応援のコメントをしましょう」と呼びかけたという話です。これは、選挙運動においてごく当たり前に行われる、身内に対する動員のかけ声です。
たしかに、他の候補者に対する批判のようなコメントは下品だったでしょうし、小泉氏本人も「行き過ぎた表現があった」ことは認めています。しかし、一般大衆に対して、自分たちの素性を隠して世論を操作しようとしたわけでは全くありません。これをステルスマーケティングと呼ぶのは、言葉の定義を根本的に誤解した、極めて不当なレッテル貼りと言わざるを得ません。
文春砲の方が、よほステマの本質に近いのでは
むしろ、私がステルスマーケティング的だと感じるのは、今回の報道を行ったメディアの姿勢そのものです。例えば、文春が「コメント依頼記事」翌週に出した記事では、「小泉氏が会長を務める自民党神奈川県連で、高市早苗前経済安全保障相を支持していた党員が離党させられた」と報じられました。
自民党の神奈川県連は昨年の衆院選で落選した中山展宏氏との関係などから党員となっていた826人について、今年6月20日付で意思確認を十分にしないまま離党の手続きが行っていたようです。これをあたかも「小泉氏の陰謀である」とも読み取れる論調の記事を文春は掲載しました。
これは、客観的な記事という体裁をとりながら、明らかに反小泉キャンペーンという特定の意図を持って世論を誘導しようとしています。こちらの方が、よほど「ステルスマーケティング」の本質に近いのではないでしょうか。
「ステマ」という言葉は、多くの人にとって意味が曖昧なまま、「何か悪いこと」「違法なこと」という強いネガティブな印象を与えます。その言葉の持つインパクトを利用して、特定の候補者のイメージダウンを図ろうとする。そうしたメディアの戦術に対して、私たちはもっと冷静に見る目を持つ必要があります。もし私が彼の陣営の人間であれば、これは明確な名誉毀損として、すぐにでも法的措置を検討し告訴していたでしょう。(略)
引用元: ・竹中平蔵氏「小泉陣営のコメント依頼はステマじゃない」名誉棄損、私なら告訴する…文春砲の方がよっぽどステマだ!総裁選で高市氏勝利 [少考さん★]