そこで出会ったのは、ドジャースタジアムの厨房で働く中国系アメリカ人のジェームズさんと、1970年代にメキシコから移住してきたダニエルさん。2人の言葉からは、大谷が現地でいかに特別な存在になっているかが伝わってきた。
「大谷のように投打で活躍する選手はベーブ・ルース以来だ。1910年代からの話だから、ほとんどの人が見たことがない。彼がどれほど特別かわかるだろ」(ジェームズさん)
「しかも謙虚なんだ。6月のパドレス戦で報復死球を受けたとき、普通なら投手に詰め寄って乱闘になる。100マイル(約160km/h)の剛速球をわざとぶつけられたんだからね。でも翔平はチームメイトをなだめ、試合に戻ろうとした。あれは忘れられない」(ダニエルさん)
(略)
リトル・トーキョーの「FAR BAR」は、大谷効果で大きく様変わりした。コロナ禍でアメリカ経済が冷え切っていたことに加え、ロサンゼルスのダウンタウンの中でも最も治安が悪いとされ、麻薬中毒者やマフィアらによる凶悪犯罪が絶えないスキッド・ロウ地区に隣接していたこともあって人が寄りつかず、ひどく寂れていた。だが、大谷のドジャース加入で街は再び活気を取り戻し、大谷はここでも救世主になったのだ。同店のオーナーの日系人、ドン・タハラさんはこう語る。
「かつて、ドジャースでは野茂英雄のフィーバーがあった。たしかに野茂はノーヒットノーランをやって、ホームラン(投手ながら通算4本塁打)も打った(笑)。でも野茂は投手だけで、ワールドシリーズだって勝ってない。その後も石井一久、黒田博樹、前田健太ら、多くの日本人選手がプレーした。でも、翔平は100倍規模が違う。すでにMVPを三度獲得し、国際的な存在感も圧倒的だ。イチローもすばらしい選手だったが、翔平は『最高の中の最高』だよ!』
(略)
■フリーマンやベッツとの人気の差は歴然
リトル・トーキョーを出てドジャースタジアムに向かえば、そこも大谷一色だ。日本で大谷の活躍を目にするたびに、一度は現地で観戦してみたいと思っている人も多いかもしれない。ただ、円安に加え現地はインフレ、治安の不安(ロスの治安は東京と比較にならないほど悪い)もあって、足が重いのもわかる。ただ、現地に行けば観戦はそれほど困難ではなく、チケットもスマホさえあればMLB公式チケットアプリ「MLB Ballpark」に登録することで簡単に購入できる。
シーズンの行方が決まる大一番や誰かの大記録がかかっているなど特別な試合でない限り、チケットの入手に困ることもないだろうし、試合当日に窓口で買うこともできる。ちなみに、チケットは流行りのダイナミック・プライシング(需要と供給のバランスに応じた変動価格制)で、安ければ30$くらいから購入可能だ。
球場内のユニホームショップでは「大谷、大谷、山本(由伸)、大谷、山本、大谷……」とシャツが並び、ほかの選手を圧倒している。スタッフのジュリアさんは「売れ行きは翔平が断トツ。フリーマンやベッツも人気だけど、差は歴然」と話す。
引用元: ・【MLB】大谷翔平 “本当の人気”をロス現地で直撃!「野茂フィーバーの100倍、ケタが違うよ!」 [ネギうどん★]