こうした苦痛を軽減し、さらなる被害を防ぐための明確な指針がないため、患者は必要な治療を受けられず、効果の証明されていない、あるいは安全でない治療法に頼る人もいます。
本日（木曜日）の「 European Journal of Preventive Cardiology」に掲載された重要な報告書で は、診断、治療、リハビリテーション、ワクチン接種を通じて、この深刻化する問題にどう対処するかが提示されている。
この報告書は、英国イースト・アングリア大学およびノーフォーク大学とノーリッジ大学病院のヴァシリオス・ヴァシリオウ教授が率いる、欧州心臓病学会（ESC）を代表して欧州各地の専門家グループが作成した臨床合意声明である。
ヴァシリウ教授は、「新型コロナウイルス感染症は、急性期、回復期、さらには再感染やワクチン接種後でも合併症が出現するなど、心血管の健康に深刻かつ永続的な影響を及ぼします。
明確なエビデンスに基づくガイドラインがなければ、患者は有害な治療を受けるリスクがあり、臨床医は不確実性に直面します」と述べました。
専門家グループは、報告書の作成にあたり、新型コロナウイルス感染症と心血管疾患に関する既存の研究をすべて検討しました。これには、急性感染症、長期の新型コロナウイルス感染症、そして新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の影響も含まれます。
専門家グループはこれらの研究に基づき、新型コロナウイルス感染症による心血管疾患への悪影響を治療または予防するための一連の推奨事項を策定し、合意に至りました。
世界中で約10億人が新型コロナウイルスに感染していることが分かっているが、実際の数ははるかに多いと考えられており、研究によると、新型コロナウイルス患者、特に入院治療を必要とした患者は、心臓発作、脳卒中、心血管疾患による死亡など、心血管疾患のリスクが高いことが示されている。
研究者らは、現在約1億人がロングコビドに罹患していると推定しており、そのうち約5%（500万人）が心臓性ロングコビドを発症するとしています。
心臓性ロングコビドには、狭心症（胸痛）、息切れ、不整脈（心拍リズムの異常）、心不全、倦怠感、めまいなどの症状が見られます。ロングコビドは、心拍数、呼吸、体温を通常制御する神経が正常に機能しない自律神経機能障害を引き起こすこともあります。
専門家の合意声明には、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のワクチン接種を継続するよう勧告が含まれています。ワクチン接種を完了した人は、たとえ新型コロナウイルス感染症（COVID-19）に感染したとしても、心臓合併症や長期のCOVID-19状態を発症する可能性がはるかに低いためです。
ヴァシリウ教授は次のように述べています。「新型コロナウイルス感染症は肺だけに影響を与えるわけではありません。急性感染時だけでなく、その後数ヶ月にわたって心臓や血管にもダメージを与える可能性があります。つまり、胸痛、息切れ、動悸、倦怠感などは、心臓性長期新型コロナウイルス感染症の兆候である可能性があります。
すでに心臓病を患っている場合、新型コロナウイルス感染症は感染直後だけでなく、感染後も長期間にわたり、重篤な合併症のリスクを高めます。いずれの場合も、リハビリテーションは心臓を守り、回復を促進することができます。」
2025年9月18日
新たな主要報告書は、新型コロナウイルス感染症が心臓血管の健康に及ぼす「深刻かつ永続的な影響」への対処法を提示している
https://www.escardio.org/The-ESC/Press-Office/Press-releases/Major-new-report-sets-out-how-to-tackle-the-profound-and-lasting-impact-of-Covid-19-on-cardiovascular-health
