堀江貴文氏のそんな考えからプロジェクトがスタートしたという、ベーカリーチェーン「小麦の奴隷」。そもそもどういったチェーン店なのだろうか。
堀江氏といえば、完全会員制の高級焼肉店「WAGYUMAFIA」や、一杯1万円の和牛ラーメンを提供する「MASHI NO MASHI TOKYO」など、様々な飲食店のプロデュースを手掛けてきたことで知られる。そんな同氏が、ちょうどコロナ禍のさなかに発案し、開業したのが「小麦の奴隷」だった。
運営元は株式会社こむぎので、2020年に記念すべき1号店を北海道広尾郡大樹町にオープン。その後はFC(フランチャイズ)展開に乗り出すと、ハイペースで全国各地に出店を果たし、一時は124店舗を展開するなど、業界でも屈指の人気チェーンへと成長する。
〈全国1万店舗目指して爆進中!〉――「小麦の奴隷」のHPには、そんな景気の良い言葉が並ぶが、けっしてその公算がなかったわけではない。飲食事業の酸いも甘いも知る堀江氏ならではの戦略があった。
それは「小麦の奴隷」の商品ラインナップを見てもよくわかる。
話題性だけじゃない…「商品力」もあった
〈ザクザクカレーパンという名物になる商材も開発した。(中略)コンビニのパンよりもクオリティが高く、種類も多い。そんな理由もあり、パン食の人に浸透してしまえばこっちのものだった。〉(「小麦の奴隷」HPより引用)
この堀江氏の言葉通り、研究を重ねて試行錯誤の末に完成させたという、同チェーンの看板商品である『ザックザクカレーパン』は、発売からわずか3ヵ月で1万個を売り上げる人気商品に。カレーパングランプリでも4年連続・金賞受賞するなど、話題性も非常に高かった。
くわえて、当時は世間的にまだ根強い人気を誇っていた高級食パンの領域も、「小麦の奴隷」はしっかりとカバーしていた。
それが、同チェーンで隠れた人気を誇る『プレミアム奴隷「生」食パン」。生クリーム、ハチミツ、練乳、バターを練り込んだ生地が特徴的で、「何もつけなくても美味しい」との評判で、一斤650円という価格設定ながら、カレーパンと共に飛ぶように売れていたという。
このように、高い知名度を誇るホリエモンが“発案した”という《影響力》、こだわりのつまった《商品力》、さらには、意図的に地方での出店を主とすることによる《競争力》と、三拍子揃ったのが、この「小麦の奴隷」だった。
ところが、だ。ここへきて同チェーンの閉店が相次いでいるという。
店舗数はピーク時の半分以下に
「小麦の奴隷」の閉店について、店舗のX公式アカウントなどで確認できるだけでも、当別店(北海道)が6月30日、平野店(大阪府)が7月31日、仙台若林店(宮城県)が8月31日、苫小牧店(北海道)が9月30日と、毎月1店舗以上のペースで閉店を余儀なくされている。
また現在、公式HP上で表示される店舗の数も56しかない。前述の通り、ピーク時には124店舗あったことから、実に半数以上が撤退に追い込まれていることがわかる。つまり、あのホリエモンですら「高級食パンブームの衰退」という荒波を乗り切ることはできなかったわけだ。
引用元: ・【経済】堀江貴文氏が発案した高級パン屋「小麦の奴隷」まさかの大量閉店
結局、上手くいってるのは財務省がバックの補助金メスイキロケットだけか…
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