私たち「パピーウォーカー」は、盲導犬協会の子犬を一定期間預かって育てる役目です。
最初の半月は、ヴァトンのいるケージのそばで寝ました。夜になると母犬やきょうだい犬から離れて寂しいのか、クンクン鳴くので寝不足でしたね。
毎月、家族全員でヴァトンを連れて協会へ行き、レクチャーを受けました。
エサのあげ方や散歩の仕方、リードの持ち方、声の掛け方、歯磨きの仕方など。
誤飲を防ぐためゴミ箱や生花は近くに置いてはいけないとか、細かい決まりがたくさんありました。
でも、初めて犬を飼う私にとって、それが良かったんです。教わるままにすればよかったので。
飼育経験があったら、「そこまでするの?」と逆に戸惑ったかもしれません。
犬よりも人とのコミュニケーションが楽しいと思ってもらうため、散歩中に他の犬と接触するのは禁止。
これが一番大変でした。
散歩をしていると、小さなヴァトンに「かわいいね」って、犬を連れた人が声をかけてくれます。初めは、散歩コースになりそうな道を避けたり、犬の姿が見えたら離れるようにしたりしました。
そのため、近所の愛犬家と全然コミュニケーションできませんでしたが、「盲導犬協会の犬なんですよ」と説明するうちに、皆さん理解してくれるようになりました。あらかじめ距離をとってくれたり、話しかける時は自分の犬を他の人に預けてからにしてくれたり。
そして、預かり開始から10か月。ついにヴァトンを協会に戻す時がきました。盲導犬になるための訓練を受けるのです。
最初から分かっていたこととはいえ、あの時のなんともいえない寂しさは忘れられません。家に帰るとヴァトンはいないのに、においだけ残っているんです。家の中がまるでお通夜のようになってしまって。ヴァトンのことがずっと頭を離れませんでした。
どう過ごしているのか、とにかく知りたくて、同時期に犬を戻したパピーウォーカーたちと連絡を取り合いました。協会から事務連絡のメールがあった際に「ヴァトンは元気です」などと書き添えてあると、それを見ただけでウルウルしちゃいました。
訓練は何段階にも分かれており、長いケースだと盲導犬になれるかどうか決まるまでに1年以上かかります。ただただ、協会からの連絡を待つしかありませんでした。
そして、ヴァトンを戻してから2か月後、協会から意外な連絡がありました。
「繁殖犬に決まりました」と。
盲導犬候補となる子犬を産む役割です。交配と出産は協会で行いますが、それ以外の時はボランティアが家庭で世話をします。
当時は、協会が問題ないと判断すればパピーウォーカーが世話をすることができたので、ヴァトンは私たちのところに戻ってくることになったんです。
続きは↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/d406c5f5d043a61f62bce981f8872196100f6ce3
[読売新聞]
2025/8/30(土) 14:00
引用元: ・【盲導犬パピーウォーカー】盲導犬になるために別れてウルウル→2か月後に「繁殖犬」として帰ってきてくれるなんて… [煮卵★]
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