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2025.08.28 17:00 Kentaro Takahashi
エイドリアン・シャーウッド(Adrian Sherwood)はずっとそこにいる。1970年代の終わりに超新星のように現れた彼は、以来、挑戦的なダブ・サウンドを創造し続けてきた。ダブの歴史に名を残すエンジニアは数多くいる。キング・タビー、リー・ペリー、プリンス・ジャミー、サイエンティスト、マッド・プロフェッサーなどなど。しかし、彼らが時代の最前線でミキシングボードを操っていた期間はそう長くはない。だが、キング・タビーに数年遅れてダブ・アルバムを作り出したこのイギリス人は、以来、半世紀近くが過ぎても勢いを失っていない。新作『The Collapse Of Everything』は13年ぶりのソロ・アルバムになるが、その間も彼が挑戦を続け、コンポーザーとして、サウンド・エンジニアとしての創造性を研ぎ澄ませてきたことを力強く示す作品だ。
筆者(高橋健太郎)はエイドリアンより2歳年上で、誕生日は1日違いである。30年以上前になると思うが、来日時に密着取材したこともある。久々のインタヴューの機会。同世代のアーティストとともに、ダブの歴史を振り返る良い機会にもなると考えて、質問を構成した。スケジュールが合わず、リモート・インタヴューへの同席は編集部の小熊俊哉氏にお任せしたが、エイドリアンは終始ご機嫌で、自身のスタジオ内を案内するなどもしてくれたそう。内容的にも現在の彼がとても高揚した状態にあることを窺わせるものになった。
Adrian Sherwood – The Collapse Of Everything
https://youtu.be/KxDqK1QI6Yg
「崩壊」と「鎮魂」のサウンドトラック
—アルバム『The Collapse Of Everything』はとても美しい作品ですね。ダブの手法を駆使しつつも、メロディックでロマンチックな感触があるインストゥルメンタル作品に仕上がっています。あなたの過去の作品に比べると、抑制的、鎮静的とも言えると思いますが、このアルバムは何か特別な構想があって、作り出されたのでしょうか?
エイドリアン・シャーウッド(以下、A):前作『Survival & Resistance』の時は様々な実験をしていたんだ。それ以来、プラグインやテクノロジー、AIといったものが大きく進化して、アナログを含めて面白い機材も新たにたくさん登場してきた。『The Collapse Of Everything』ではそうした最新の技術を活用しながらも、美しいサウンドトラックのような作品を作りたいと思っていた。今この瞬間のための音楽。そんな「現在」のサウンドトラックを作ることが、自分の目指したことだった。
—純粋なソロ・アルバムとしては13年ぶりになります。その間にキース・ルブラン、リー・ペリーやマーク・スチュワートなど、あなたのキャリアにおける重要なコラボレイターが亡くなりました。彼らに捧げる鎮魂歌のような感触も私は感じました。
A:ああ、そうとも言える。ドラマーのスタイル・スコットを失ったことも大きな痛手だった。個人的にもとても大きな喪失だった。この部屋を見渡してもらうとわかると思うんだけれど、ここはスタジオで壁にはたくさんの写真が飾ってある。孫の写真もあれば、マーク・スチュワート、スタイル・スコット、キース・ルブラン、リー・ペリーの写真もある。つまり、彼らはずっとそばにいてくれているような感覚なんだ。でも、マークが亡くなった時は特にこたえたよ。あまりにも突然だったから。彼のユーモアのセンスが恋しい。『The Collapse of Everything』というタイトルは何年も前にマークが書いた言葉から取っているんだが、それがいまの自分の気持ちにすごく響いた。それを元に美しい音楽を作りたかった。この作品が彼らからインスピレーションを受けているのは間違いない。
—そのタイトルはアルバム・カヴァーのイラストとも関係していますよね?
A:俺は決して終末思想に囚われている訳ではない。戦争が続いたり、人間の振る舞いがあまりにも酷かったりという現実はあるが。イギリスの現状はとても酷い。政治家などは昔から信用していた訳ではないが、今では教師などに対しても、あらゆる「信頼」というものが崩れてきている。そういう「崩壊」がこのタイトルには詰まっている。でも、レコードの最後は前向きな希望で締めくくった。「The Great Rewilding(再野生化)」という曲や(略)
※全文はソースで。
引用元: ・【音楽】エイドリアン・シャーウッドが語るUKダブ史、イーノとの共鳴、崩壊する現代への眼差し [少考さん★]
デニス・ボーヴェルとやってた印象しかないぞ
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