「福島第一原発事故以降、原発反対の声はあげやすくなりましたが、事故発生から14年5カ月が過ぎた今は、また反対意見が言いにくい雰囲気に戻っていると感じます」
2011年の東日本大震災と福島第一原発爆発事故の前から28年間にわたって日本の原発の取材を続けている青木美希さんは、今月初めの書面インタビューで、現在の日本社会の雰囲気についてこのように語った。福島第一原発の爆発という未曽有の事故の直後、当時の日本の民主党政権は「原発ゼロ」政策を推進したが、2012年末に政権を奪還した自民党の晋三政権は既存の原発の再稼働へと転じた。日本政府は2022年のウクライナ戦争勃発によるエネルギー危機などを機として、原発への回帰にまで至った。福島第一原発事故後に確立した「原発稼動期限40年」原則を2023年6月に事実上放棄し、60年を超える運用を容認した。今年2月には新たな「エネルギー基本計画」を閣議決定し、原発が発電量全体に占める割合を2022年時点の5.5%から2040年度には20%ほどにまで拡大することとした。韓国は昨年の時点で原発の割合が32.5%にのぼる。
青木さんは「原発は安全だという言葉が、SNSで広がっています。福島事故の汚染の現状を伝えようとしてもデスクに阻まれる事例が出ています。健康被害を伝えようとした記者も企画をつぶされました。自民党地方議員のなかにも『脱原発と思っているが党の方針と違うから言えない』という人もいます。私は日本経済団体連合会の幹部に『日本は原発がないから衰退したんだ』と批判的に言われました。原発は安全、クリーン、安い、という誤った原発神話が再び広がっているのを実感します」と語った。
「SNSで『原発は安全』主張が活発化
健康被害の現状、報道直前につぶされる
似たような課題を持つ韓日は情報交換を」
今年4月に韓国語版が出版された『なぜ日本は原発を止められないのか?』の著者でもある青木さんは、父親が原子力の研究者だった。父親の教え子たちが被ばくを心配する姿を見るなど、原発の素顔をそばで見てきたからだろうか。原発の取材を30年近く続けている。青木さんは北海タイムス、北海道新聞、全国紙などに勤務してきたが、現在は個人としてジャーナリスト活動を続けている。
「福島第一原発事故で50万人超の方々が避難する姿を見て、報道が足りなかった、と反省をしました。上司に『いつまで避難者の取材をやっているのか』と言われても取材を続け、ついに2020年に記者職を外されてしまいました。それでも休暇の時間と個人の資金を使ってフリーランスとして取材を続けているのは、このためです」
韓国と同様、日本も首都圏に多くの人口が集中しているが、首都圏などの大都市のエネルギー自給率が非常に低い日本においても、気候危機時代のエネルギー転換は非常に難しい課題だ。青木さんは脱原発がうまくいかない原因として、既得権益勢力の存在をあげた。
「既存の原発を動かすのはやむを得ない、新規は認めない、という政治家もいます。一方で、両方とも賛成の政治家もいます。被害の実態をどれほど知っているかによるのだと思います」として、「原子力で潤う一部の人たちが自らの利益を守るために進めています。日本では『既得権益』と呼んでいます」と批判した。
青木さんはまた、原発が建設、運用されても地域住民には利益が回らないとも強調した。「日本は交付金や匿名寄付という形で自治体が潤ったり、漁業者には補償が出たりします。ただ、一時は潤ってもその後は衰退に向かい、また新たな原発を求めるという構造になっています」との指摘だ。
青木さんは、韓国と同様に日本もこれまでの原発中心のエネルギー政策から脱し、再生可能エネルギー、蓄電池、送電網整備など、新たな電力システムの構築が必要だと主張する。青木さんは「地産地消、営農型ソーラー、小水力、洋上風力。日本でも再エネを進めようという動いている人たちはいます」として、似たような課題を抱える韓日が情報交換していくことが重要だと語った。
チェ・ウリ記者
ハンギョレ 2025-08-29 07:13
https://japan.hani.co.kr/arti/international/54078.html
https://img.hani.co.kr/imgdb/japan/news/resize/2025/0827/175630594865_20250827.JPG
引用元: ・【ハンギョレ】日本は原発回帰中…反対意見を言うのが徐々に難しく 青木美希氏 [8/29] [ばーど★]
使いたくて使ってるわけでもないし、火力発電潰して原発増やそうぜ!なんて言ってるわけでもない
現状再生可能エネルギーだけで十分な電力を確保するのは不可能
これだけでもう答え出てるというかリスクは当然考えながら頼らざるを得ないじゃん
ソーラーとか言うてるけど中国製太陽光発電のありえない問題点無視してんじゃん
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