マネーポストWEB2025.08.19 07:00
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“旧帝大(旧帝国大学)”と呼ばれる北海道大、東北大、東京大、名古屋大、大阪大、京都大、九州大の7大学は、その地域を代表する国立大学であり、地元の進学校に通う学力優秀な生徒が進学先として選ぶことが多い。従来、旧帝大への進学は地元勢が優勢だったが、ここ数十年で徐々に変化しているという。
〈首都圏高校からの進学者数(2012→2020)
北海道大学(361→583)
東北大学(375→620)
京都大学(244→365)
九州大学(61→129)
※伊藤滉一郎氏データ
2012年から2020年までの間で、首都圏高校から地方の旧帝大(北大、東北大、京大、九大)への進学者が激増していることを示すデータである。北大は361人から583人、東北大は375人から620人、京大は244人から365人、九大は61人から129人と、1.5?2倍程度にまで増えている。
大学受験の現場で、いったい何が起こっているのか。伊藤氏本人に話を聞いた。
「各大学の公式サイトや受験生向けのパンフレットなどから独自に情報を集計した結果で、あまり世に出ていないデータだと思います。地方の旧帝大で首都圏からの入学者が増えているということは、地元勢や他道府県勢が入学定員から押し出されていることを意味します。阪大と名大は、あまり変化がなかったので、Xのポストには挙げていません」
大阪大、名古屋大は大都市圏にあるため、地元の教育熱も高く、私立の中高一貫校や伝統的な公立進学校も多い。進学者に占める割合も地元出身者が牙城を守っているが、他の地方旧帝大は、首都圏の受験生の進出により、地元勢が後退を余儀なくされているのが現状だという。
首都圏出身者の割合が増えた理由
では、首都圏にある東大はどうか。予備校の代々木ゼミナールがホームページ上で公開する「主要大学入試データ」で東大の「出身地別割合」の項目を見ると、次のように書かれている。
〈前期日程合格者の出身地割合の推移をみると、2025年度の関東(1都6県)出身者の割合は61.7%でした。年度によって多少の増減はありますが、概ね56%?60%の範囲で推移しています。関東の増加とは対照的に、近畿も含めたその他地区の割合はこの20年間で14.3%も減少(52.6%→38.3%)しています〉
東大でも首都圏勢がシェアを高め、地方勢が減る傾向にあるようだ。なぜこのような状況になっているのか。
「地方の人口減少が背景にありますが、首都圏の受験熱が高まりすぎているのが、大きな理由の一つと考えられます。首都圏で中学受験して中高一貫校に進学する生徒たちの中では、偏差値(日能研)50から55くらいの中堅層でも、大学を受験する段階で、学力が地方のトップ校の生徒と同水準に達すると言われています。それくらい差が広がっている。
首都圏のトップ層は東大を目指すので、東大は難易度が上がっていて、そこへ食い込めない首都圏勢は『東大や一橋大、東京科学大は無理だが、模試の判定を見ると、地方旧帝大なら受かりそう』と判断する。昔は地方の高校からでも、公立進学校のトップ層なら、“一浪すればなんとか東大の合格圏に入れる”ものでしたが、今は模試の判定などを見て、目指そうという気持ちを失ってしまうケースもあるようです」(伊藤氏)
首都圏出身者が全国の大学に散らばる傾向
首都圏と地方では総じて所得格差が広がっており、教育にかけられる金額も違うと考えられることから、得られる情報や受験ノウハウにも差が出るといった事情もあるだろう。
「今は一般入試の比率が5割を切り、総合型選抜や学校推薦型選抜が増えています。都内の高校ではそれらに対応した『探求学習』を進めている学校が多い一方、地方だとそうした変化にキャッチアップできていない学校が多いという印象です」(伊藤氏)
首都圏と地方の学歴格差は今後も広がっていくと見られている。文科省が2025年5月に公開した「各都道府県における高等教育の現状に関する調査研究」で示された、都道府県ごとの“2040年の大学進学率の推計”を見ると、大学進学率がもっとも高いと推計された東京都が80.5%であるのに対し、もっとも低い山口県は38.5%と2倍以上の差が出てくる。東京に次いで高いのは京都で75.6%、奈良69.1%、大阪69.0%と続き、神奈川、埼玉、千葉はみな60%を超えている。一方、山口に次いで低いのは宮崎41.2%で、鹿児島41.6%、岩手42.3%、熊本43.2%と続く。九州と東北は40%台がほとんどである。
※以下出典先で
引用元: ・地方の旧帝大に首都圏出身の進学者が急増しているのはなぜか 広がる首都圏と地方の学歴格差の実態 [七波羅探題★]
中学校もフラスコがないとかプールがないとかそんなレベルだったw
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