小泉進次郎農林水産相が強調するコメの店頭価格下落は、銘柄米の半値以下で販売されている備蓄米が平均値を下げているに過ぎない。
備蓄米の放出は中食・外食、給食事業者向けに拡大しているが、銘柄米の値下げは事業者の〝損切り〟頼みで、引き下げ効果は期待薄。
備蓄米が尽き、銘柄米の高値が続く事態が現実味を帯び始めている。
価格は備蓄米放出前とほぼ同水準
農水省が1日に発表した7月21~27日のスーパーでの5キロあたりの銘柄米の平均販売価格は前週比4円安の4474円だった。
下落傾向にある店頭での平均価格は、競争入札分も含めた備蓄米が市場に出回り、平均価格を下げただけ。銘柄米の価格は備蓄米放出前とほぼ同水準だ。
消費者が求めるのは、これまで食べていた銘柄米の値下がりで、備蓄米の普及ではない。
小泉農水相は安価な備蓄米が店頭に並ぶことで、価格競争が起こり、銘柄米の価格も下がると主張してきた。店頭でそのような現象は見られていない。
農水省は中食や外食、給食事業者に備蓄米が広がることでコメ市場全体の値下がりが起こるという。達成できていない現状に、担当者は「価格動向を注視していく」とした。
宮城大の大泉一貫名誉教授は「備蓄米の効果が限定的だった」と指摘する。大泉氏は「銘柄米の強いニーズが形成されている。販売価格の平均が下がるのは、備蓄米の販売量が多くなっているためで、それが切れたらどうなるか。銘柄米(の価格)が下がらない状態は続く」と警鐘を鳴らす。
銘柄米の高騰が続くのは、農水省が銘柄米の値下げを事業者任せにしているからだ。
事業者には、高値で売れているコメを損切りしてまで値下げする理由はない。高値で仕入れた在庫を放出し、新たな価格で仕入れる「循環」を作らなければ、銘柄米の価格引き下げにはつながらない。競争入札による備蓄米がブレンド販売を前提としたのは、値下げ幅を小さくしてでも、高値在庫の銘柄米を市場に出す狙いがあった。
小泉農水相による放出にそうした意図は見えず、銘柄米の価格引き下げという本来の目的を果たせずにいる。
8月以降に収穫される新米では、各地のJAが集荷量を確保しようと農家に前払いする「概算金」を引き上げる動きが広がっている。今秋の新米でも価格競争は続く見通しだ。
農水省の調査では、コメ価格高騰の発端は2023年産米が酷暑で不足したこととされている。
今夏は宮城県大崎市の鳴子ダムの貯水率が0%になるなど、少雨が続く。コメどころの東北や北陸地方で酷暑が深刻化しており、新米が不足すれば、さらなるコメ価格の高騰を招きかねない。
小泉農水相は転売対策などにも力を入れ、万全のスタートを切ったようにみえた。就任2カ月で、統計上は値下げを達成できたかもしれない。しかし、消費者が本当の意味で今まで食べていたコメの値下げを実感できるようになるには、流通に「循環」をもたらす次の一手が求められる。(高木克聡)
https://www.sankei.com/article/20250802-XZIK27AKFBD4XOCCLYVVPBYTJU/
引用元: ・【銘柄米の価格高止まりが現実味、価格は備蓄米放出前とほぼ同水準】専門家が備蓄米効果を疑問視・・・コメの店頭価格下落は、銘柄米の半値以下で販売されている備蓄米が平均値を下げているに過ぎない
これから新米出てくるがその時にトランプのゴリ押し米も合わさり市場に米が溢れかえる事態になっても強気の価格設定でいられるかな
何だったのか?
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